eコラム「北斗七星」

  • 2016.09.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年9月5日(月)付



阿蘇山を登る二人の青年が嵐に遭って引き返す。その一人が「二百十日だったから悪るかった」と言う夏目漱石の短編小説が頭に浮かんだ。立春から「二百十日」目は例年9月初旬で、台風の時節だ◆今年も台風は日本列島を標的に。そんな折、全国展開している運送会社のベテラン運転手の話を聞いた。暴風雨の深夜に、いつもの道が通行止めで真っ暗な狭い裏道を走らざるを得ないときもある。「毎日同じように配送することが、どれほど難しいか」と語る目に、無事故を貫いてきた人間の迫力を感じた◆群馬大学大学院の片田敏孝教授は、東日本大震災を経て、災害対策はより高度で複雑化し、マニュアルは分厚くなるばかりだとしてこう語っていた。「『科学』によって、災害を現象面から検証し、一定のリスクを減らすことはできるが、対応するのは『人間』だ」(本紙3月13日付)◆今回の台風は漱石の「二百十日」の舞台、熊本県も狙ってきた。4月に大地震が襲ったとき現地では、公明議員が自ら被災しながらも懸命に住民を勇気づけ、いまも支え続けている。その姿から人間自体の強さが伝わる◆災害時に限らず、常に難題と向き合っているのが議員だ。だからこそ公明党は次の勝利へ、「議員力」のさらなる向上に挑む。その基となる"人間力"を大衆の中で鍛えながら。(三)

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