eコラム「北斗七星」

  • 2016.09.20
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年9月20日(火)付



真剣勝負が生み出す感動は、健常者も障がい者も変わらない―。リオデジャネイロ・パラリンピックをテレビで観戦しながら改めて痛感させられた。日本選手をはじめ、今大会に出場した全てのパラリンピアンの健闘をたたえたい◆健常者を超える記録もあった。陸上男子1500メートル(視覚障害)では、4選手がリオ五輪の優勝タイムを上回った。障がいの有無にかかわらず、夢や目標を持って努力を重ねる中で、自己の可能性は大きく広がる。そのことを身をもって教えてくれているかのようだ◆いよいよ次は2020年東京オリンピック・パラリンピック。観戦のために世界中から多くの障がい者が日本を訪れるだろう。競技施設はもちろん、街づくりについても世界に誇れるようなバリアフリー化が期待される◆車いすの障がい者が一人で鉄道を利用する姿は珍しくないが、あるアンケートに「途中下車の旅がしたい」という声があった。乗り降りに駅員の介助が必要な車いす利用者は、あらかじめ下車駅を伝えておかなければならず、気ままな旅は難しい◆願いをかなえる一つの方法は、居合わせた乗客が乗降を手伝うことだ。欧米では当たり前だという。建物や交通機関だけでなく、国民一人一人の「心のバリアフリー化」も、この4年間で世界標準に近づけたい。(幸)

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