eコラム「北斗七星」

  • 2016.09.23
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年9月22日(木)付



両親は薬物中毒。家庭崩壊の末に15歳でホームレスに陥るが、猛勉強の結果、ニューヨークタイムズ紙の奨学金を得てハーバード大進学を勝ち取る。この夏、彼女のサクセスストーリーは民放番組でも放映された◆壮絶な自身の半生を綴った「ブレイキング・ナイト」。著者のリズ・マレーは、こう振り返る。「自分の人生は自分で変えることができる」。どんな境遇にあっても希望や周囲への感謝を失わず、力強く道を開いた実話である◆今月中旬、ある調査結果が発表された。国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出割合に関するデータである。経済協力開発機構(OECD)加盟各国で比べたところ、日本は33カ国中で32位。大学などの高等教育を私費負担している割合が大幅に膨らんでいることが明らかになった◆公明党は17日の党全国大会で、新たな政策ビジョンを打ち出した。そこでは「誰もが、公平に良質な教育を受ける」ことができる社会づくりを提言。返済不要の給付型奨学金創設や無利子奨学金の拡充のほか、大学の無償化に向けた検討を訴えている◆これらの施策は貧困の連鎖を断ち切るためにも不可欠な施策である。たとえ、生まれ育った環境にハンディがあったとしても、青年のやる気を全面的に応援する。人材を育む中にこそ繁栄がある。(広)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ