e交流深めた青年訪中団
- 2016.09.23
- 情勢/国際
公明新聞:2016年9月23日(金)付
日中友好の精神を継承
中国要人 関係改善へ公明に期待
手記 石川博崇団長(参院議員)
公明党青年訪中団は10~13日、上海、銀川、北京の3都市を訪問した。中国共産党中央対外連絡部(中連部)の招きに応じたもので、各地で活発な交流・対話が行われた。石川博崇参院議員を団長に、国重徹、中野洋昌、真山祐一の各衆院議員、河野義博参院議員が参加した。青年訪中団の活動について、石川団長が手記を寄せた。
今回の青年訪中団は、(1)今夏の参院選でも訴えた公明党が果たす重要な役割の一つ「平和外交」を早速、具体的な行動に移す(2)日中両国の間に課題が山積している今こそ、長年にわたる公明党の日中友好の精神を青年議員が継承し、対話の窓口を開く―という二つの意義が込められました。
日中関係が極めて厳しい状況にあった2013年1月、また平和安全法制の制定直後の昨年10月、公明党の山口那津男代表が訪中し、中国の習近平国家主席と会談しました。これにより、日中韓サミットの再開と、安倍晋三首相と李克強首相の初めての日中首脳会談が実現したことを踏まえ、今回の訪中でも多くの中国側の指導者から、日中関係改善に向けた公明党への評価と期待の声を聞くことができました。
また、先日に中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議の機会に開かれた日中首脳会談で、両国首脳がマイナスを減じプラスを増すとの認識で一致したことを踏まえ、今後の日中関係改善への期待感が極めて高いこと、その中でも公明党への期待、そして私たち青年議員への期待が極めて強いと感じました。
経済状況視察し、少数民族とも交流
今回最初に訪問した上海は、在留邦人数が4万人を超え、2300社以上の日系企業からなる商工クラブがあるなど、世界最大の在外日本人コミュニティーがあります。日本との商取引、文化交流、観光客の往来などが活発に行われている中国最大の経済都市です。
言うまでもなく中国は世界第2位の国内総生産(GDP)を誇る経済大国であり、日本にとっては最大の貿易取引相手国。上海では、国際経済における中国の経済下方リスクが取りざたされる中で、現地ニーズにしっかり適応した日系企業が堅調に業績を伸ばしていること、引き続き中国経済において日本企業への期待が極めて高いことを確認できました。
次に訪れた銀川の寧夏回族自治区は、これまで日本の国会議員がほとんど訪問したことのない場所ですが、西夏文字を創設し、仏典の保存などにも寄与した西夏王国が隆盛した地です。
現在は回族(イスラム教徒)が住民の32%を占めていることから、民族間の融和や共存共栄を図っていますが、いまだに沿岸地域と比べて貧困層が多く、国内の経済格差の克服に努めています。また、400年以上の歴史を誇るモスクが現存し、毎日イスラム教徒が祈りを捧げています。街角にアラビア語表記の看板が見受けられるなど、他の都市では見ることができない中国の多民族国家の側面や課題を認識できました。
北京では、全国政治協商会議(全国政協)の王家瑞副主席や、中日友好協会の唐家璇会長など、長年にわたって公明党と友誼を結んできた要人に会えました。それぞれ異口同音に、現下の日中関係を改善させるために公明党が果たす役割の大きさに触れ、私たち若手議員に対する期待の声を掛けてくれました。
課題山積の今こそ率直な対話重要に
両国の間に困難な課題が山積している時こそ、私たちからも主張すべきことは主張し、率直に言うべきことを言い合える信頼関係を構築していくことが今後ますます重要となります。また、直接現地を見聞きし、対話を行う交流の促進が極めて重要であることもあらためて認識できました。
銀川で会った地元住民が「平和のために一緒に努力しよう!」と声高らかに訴えていたのが印象的です。
党創立者が切り開いてくださった日中友好の歴史は、来年が日中国交正常化45周年であり、再来年は日中平和友好条約締結40周年の節目を迎えます。これらの節目にグローバル金融、少子高齢化、環境、防災など両国で協力して取り組むべきテーマにおける交流が促進できるよう尽力してまいります。