e「結果」で期待に応える

  • 2016.09.26
  • 情勢/解説
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公明新聞:2016年9月25日(日)付



臨時国会あす開幕
井上幹事長に聞く



あす26日から臨時国会が開幕します。経済再生と社会保障の充実が最重要課題となる中で、政府・与党は、今年度第2次補正予算案とその関連法案の速やかな成立をめざしています。臨時国会の焦点や公明党の対応について、井上義久幹事長に聞きました。


党の姿勢


"新しい力"得て論戦リード
「希望がゆきわたる国」へ全力で

――あすから臨時国会が始まります。公明党はどう臨みますか。

井上義久幹事長 2014年の結党50年を迎えて以来、連続勝利を果たし、今夏の参院選勝利で次の時代に向けた公明党の揺るぎない基盤を整えることができました。国民の期待に具体的に応える最初の国会になります。

臨時国会から、公明党は、政治課題をめぐる議論や法案審査を行う衆参常任・特別委員会で、2期目の若手国会議員も"要"役の理事を担うことにしました。公明党の"新しい力"で、国会論戦を積極的にリードしていきます。

公明党が参院選で訴えてきた「希望がゆきわたる国」の実現へ、党のネットワークをフル回転させ、具体的に「結果」を出す闘いに挑んでまいります。

――参院選後、夏季議員研修会や党大会が行われました。

井上 この夏、各地で議員研修会を行い、日常の党活動の強化を誓い合いました。一方で、台風による一連の豪雨被害では、国会議員が被災地を訪問し、現地の地方議員と連携して、被害状況や現場のニーズを調査。政府に早期支援を訴えてきた結果、被災自治体の復旧事業で国の補助率を上げる「激甚災害」の指定の早期決定につながりました。

党大会では、衆望を担って誕生した公明党が、日本政治のど真ん中で「日本の柱・公明党」として、その真価を発揮する時が到来したことを確認し合いました。連立政権の中で課題解決に邁進し、国民の期待に応える成果を上げることが、公明党に対する国民の信頼を一層深め、次の勝利につながると確信します。


2次補正


生活密着の事業 数多く
公明の主張反映
総活躍や復興加速めざす

――今年度第2次補正予算案が国会に提出されます。

井上 回復の兆しを見せ始めた経済成長の恩恵を地方や中小企業、家計に着実に広げていくことは喫緊の課題です。政府・与党は先月に新たな経済対策をまとめましたが、それを実行するための措置が2次補正予算案です。「成長と分配の好循環」実現へ、早期の成立・執行をめざします。

――具体的な内容は。

井上 公明党の主張が随所に反映され、生活密着型の事業が数多く盛り込まれているのが特徴です。

例えば、国民生活に不可欠なインフラ(社会基盤)である水道施設ですが、全国の自治体で老朽化が進み、問題視されています。

そこで水道施設の水質安全対策・耐震化対策として400億円を計上し、対応を急ぎます。これは水道管の修繕・改修を担う地域の中小・小規模企業にも経済波及効果が大きいと期待しています。

中小企業への支援策としては、ものづくりや経営力の向上、資金繰りへの支援を強化したほか、下請け取引の適正化にも予算を充てました。最低賃金引き上げの環境整備として、従業員の処遇改善を行う中小企業への補助金も盛り込まれています。

――1億総活躍社会の実現に向けては。

井上 介護問題や待機児童問題への対処は待ったなしです。そこで、保育士や介護士といった福祉人材の処遇改善を含めた子育て・介護の環境整備に2770億円を盛り込んでいます。

貸与された奨学金の返還額が卒業後の所得に応じて変わる、新たな「所得連動返還型奨学金」のシステム整備も行い、若者の経済的負担の軽減につなげます。

――東日本大震災や熊本地震の復興策も盛り込まれています。

井上 東京電力福島第1原発事故に苦しむ福島の避難指示解除に向けた除染の加速化などを進めるため5456億円を確保しています。熊本地震の復興策の一つとして、被災地の要望を踏まえ、自治体が長期にきめ細かく利用できる「復興基金」の創設も支援します。


重要法案


無年金対策、TPP承認急ぐ

――このほか、重要法案として消費税率引き上げを再延期する関連法案も審議されます。

井上 世界経済が直面するリスクを回避するため、消費税率の10%引き上げを19年10月まで再延期する法改正を行います。

ただし、持続可能な社会保障制度の構築に向け、民主、自民、公明の3党合意に基づく社会保障と税の一体改革を進めるという基本的な枠組みは変わっていません。公明党は、消費税率10%への引き上げと同時に予定していた社会保障の充実策は財源を見つけ、可能な限り前倒しをして実施する考えです。

そこで、公明党が参院選で重点政策で掲げた無年金対策として、年金受給資格の取得期間を「25年」から「10年」に短縮する法案の成立を図ります。

成立すれば、新たに約64万人が年金を受け取れるようになるだけでなく、今後も無年金に陥る恐れのある人を減らしていく上でも大きな意義を持ちます。

――継続審議中の環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案の扱いは。

井上 TPPは関税の撤廃などに伴う貿易拡大により、国内総生産(GDP)を約14兆円押し上げ、約80万人の雇用を創出するなど、日本に大きな経済効果をもたらすと試算されています。

関連法案は、TPPの利点を生かす「攻め」と、影響を最小限に抑える「守り」に万全を期すため、農林水産物の輸出促進や畜産農家の経営安定化対策などが柱となっています。農業者の懸念の払拭に全力を挙げるとともに、早期発効に向け、与党としても国会承認と関連法案の成立を急ぎます。

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