e公明党の代表質問 成長と分配の好循環こそが急所

  • 2016.10.03
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年10月1日(土)付



国民の不安を和らげ、「希望が、ゆきわたる国」を実現しようとの決意みなぎる質問だった。各党の代表質問が衆参両院の本会議で行われ、公明党から山口那津男代表、井上義久幹事長が質問に立った。

デフレ脱却まであと一歩の今、経済成長の果実を家計、中小企業、地方にまで届ける「成長と分配の好循環」を確かなものにすることが、最優先の"急所"である。

自公政権の取り組みによって、経済に明るい兆しが見えてきた。だが、本格的な少子高齢、人口減少社会を迎え、多くの国民は先行きへの不安を持っている。この不安を安心に変えるため、成長によって果実を生み出し、適切に分配することで、さらなる成長につなげる、この流れを加速化させなければならない。

成長を促すため、中小企業・小規模事業者の賃上げは不可欠だ。賃上げは中小・小規模事業者にも広がりつつあるが、賃上げできない事業者も多い。山口代表は、賃上げを実施した中小・小規模事業者に100万円まで補助する措置が補正予算案に盛り込まれたことを挙げ、賃上げ環境の整備に向けたきめ細かい対策を訴えた。下請け企業を守る取引適正化などにも政府は積極的に取り組んでいくべきだ。

分配の点で言えば、親の収入による教育格差の是正が重要だ。公明党は長年、奨学金問題に取り組んできた。質問で山口代表が言及した来年度の給付型奨学金の創設、無利子奨学金の成績要件撤廃などの確実な実施について、安倍晋三首相も「スピード感を持って取り組む」と応じた。経済事情に左右されずに教育を受けられるよう、政策を一層進めていく必要がある。

消費税率引き上げの延期に伴い先送りが懸念されていた無年金者対策にも注目したい。「『成長』の果実を財源として活用するもの」(山口代表)で、公明党の強い主張で提出された年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する法案を成立させ、確実に実施するよう求めた井上幹事長に、安倍首相は「来年10月から確実に受け取れる予定だ」と明言した。

短い会期ではあるが、この臨時国会を「成長と分配の好循環」を定着させる契機としていきたい。

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