eコラム「北斗七星」
- 2016.10.04
- 情勢/社会
公明新聞:2016年10月4日(火)付
NHK大河ドラマ「真田丸」は、いよいよクライマックスの「大坂の陣」に突入していく。主役の信繁(真田幸村)が、どんな活躍をするか楽しみだが、その一方、2018年の放映は西郷隆盛の生涯を描く「西郷どん」と決まった◆01年以降で幕末を舞台にした大河ドラマは、「新選組!」「篤姫」「龍馬伝」「八重の桜」「花燃ゆ」の5作だが、西郷はその全てに登場。この人物抜きには幕末から明治維新に至る時代を描けないという、さすがの存在感である◆面白いのは、高知県民の反応だ。西郷と親交の深かった坂本龍馬をはじめ、土佐の面々の登場に期待するのはもちろん、早くも「龍馬役はだれがいい?」という話題が地元新聞で取り上げられていた◆折しも高知県では、来年3月から約2年間の観光キャンペーン「志国高知 幕末維新博」が開幕する。「西郷どん」放映の18年は明治維新150年記念で、県立坂本龍馬記念館の新館もオープンする予定。"幕末大河"を追い風にした集客増への期待は大きい◆大河ドラマによる地域の経済効果は、主役の認知度や人気、配役、ドラマの出来栄えにもよるらしいが、やはり絶大だ。自治体による活発な誘致合戦は、まさに戦国の様相だとも。チャンスを生かす取り組みにも、一過性に終わらぬ工夫を求めたい。(祐)