e成長の実感 地方・家計へ
- 2016.10.05
- 情勢/社会
公明新聞:2016年10月5日(水)付
第2次補正予算案 衆院通過
衆院は4日夜、本会議を開き、経済対策の第1弾と位置付ける2016年度第2次補正予算案を自民、公明の与党両党などの賛成多数で可決、参院に送付した。
上下水道整備など 生活密着型のインフラ整備
同予算案は、与党の提言を踏まえて政府が8月に閣議決定した、事業規模28兆円の「未来への投資を実現する経済対策」の財源を裏付けるもの。
景気刺激策として、上下水道の更新や開かずの踏切対策など生活密着型のインフラ整備を盛り込んだほか、介護や保育分野の人材確保などで1億総活躍社会の実現を推進。東日本大震災や熊本地震からの復旧・復興、地域における防災・減災対策を支援する予算案となっている。
本会議に先立つ衆院予算委員会で締めくくり質疑に立った伊藤渉氏は、経済成長の実感を、地方や家計の隅々にまで行き渡らせるために、中小企業・小規模事業者の下請け取引の価格適正化を主張。公明党の国・地方議員が行った実態調査でも、中小企業の取引現場では、違法性が疑われる下請けいじめが散見されるとして「内閣を挙げて、きめ細かく目配りしてもらいたい」と述べ、政府による監視強化を訴えた。
これに対し、安倍晋三首相は「親事業者が本来負担すべき費用を下請け事業者に押し付けることがないように、公正取引委員会において、年内をめどに下請法の運用基準を抜本改正するなど関係法令の運用を強化する」と述べた。
続いて賛成討論に立った国重徹氏は、第2次補正予算案について「財源は、国債利払い費の減額などのほか、未来への投資に活用される建設国債により賄っており、いわゆる赤字国債を追加発行していない」として、財政健全化に役立つものだと高く評価。同予算案の成立は「日本経済を加速させる上で極めて重要」と訴えた。
水防対策加速せよ 真山氏強調
衆院予算委員会は4日、安倍晋三首相らが出席して安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行い、公明党から真山祐一氏が質問に立ち、頻発している大規模災害を踏まえ、国土交通省が進める社会全体で洪水に備える「水防災意識社会再構築ビジョン」に言及。河川の水防対策について「流域を一体的に、かつハード、ソフト両面から加速させるべき」と訴えた。
石井啓一国交相(公明党)は「補正予算案も含め、防災・安全交付金の重点配分などハード、ソフト対策をスピード感を持って推進する」と答えた。
また真山氏は、岩手県岩泉町などの豪雨被害について、東日本大震災からの復興途上で見舞われた二重被害だとし、復興予算と連動した柔軟な財政措置などの必要性を強調。安倍首相は「今週中にも水産動植物の養殖施設の災害復旧事業を(激甚災害指定の)特例措置の対象に追加する」と述べる一方、被災自治体の財政運営に支障が出ないよう支援する考えを示した。