e農家の収入保険具体化へ

  • 2016.10.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年10月8日(土)付



公明提案 農産物の価格下落に備え
来年の通常国会に法案提出



公明党の農林水産業活性化調査会(会長=石田祝稔政務調査会長)と農林水産部会(部会長=稲津久衆院議員)は7日、衆院第2議員会館で合同会議を開き、農家の安定経営を下支えするため党が提案してきた収入保険制度の創設に向けて議論した。席上、農林水産省から収入保険の制度案が示された。

制度案によると、農産物の価格が低下して農家の収入が急激に減少した場合、過去5年間の平均収入を基準収入として、その8割台を補償する仕組み。具体的には、基準収入の9割(仮)を「補償限度額」として、その額より当年収入が減少した場合に、国と農家が拠出する保険金が支払われる。保険金の支払率を9割(仮)に設定することで、農家にとっては平均収入の8割台が確保されることとなる。

対象品目に関しては、コメや畜産物などの主要品目だけでなく、既存のセーフティーネット(安全網)がない野菜や果樹、花きなども加えた全ての農産物としている。

また保険金に関しては、掛け捨ての保険料だけで賄う案と、保険料と繰り越し可能な積立金を併用する案の二つを想定。農家が支払う保険料の設定などは、全国約1000の農家・農業法人を対象に6月まで実施した事業化調査の結果を踏まえて検討を重ね、来年の通常国会で関連法案が提出される方針となっている。法律が成立すれば、2019年産の農産物から実施の見通し。

これまで公明党は、農家の収入が農産物の価格下落や生産減少などに大きく左右されることから、収入保険制度を創設し経営基盤の安定化を図ることを提案してきた。

同日の合同会議でも、制度の早期実現をめざすことを確認。参加議員からは、制度運営には個々の農家の収入を正確に把握する必要があり、収入保険に加入するために青色申告を5年間継続することが必要であることに関して、「周知を図る必要がある」などの意見が上がった。

一方、石田政調会長は、関連法案が来年の通常国会で成立した場合でも、収入保険制度の開始が19年産からとなることに言及。前年の18年産から生産調整(減反)が見直され、コメの直接支払交付金(水田10アール当たり7500円)などが打ち切りになることに懸念を示し、「農業者に安心を与えるために良い知恵を出していかなければならない」と述べた。

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