eコラム「北斗七星」

  • 2016.10.12
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年10月12日(水)付



毎年10月になると、家族全員分のインフルエンザワクチンの接種を近くの医院に予約する。厚生労働省によれば、ワクチンの予防効果が続くのは接種して2週間後から約5カ月間。11月中旬までに接種すれば、12月から3月にかけての流行期に間に合う◆インフルエンザは身近な感染症の一つだが、最近気になるのが「再興感染症」だ。近い将来に克服されると考えられていたが再び流行する傾向がある感染症のことで、結核やコレラ、デング熱などがあり、世界的に関心を集めているという◆「再興」する理由はいくつか考えられている。「病原菌が従来の薬に耐えられるようになった」「地球温暖化で生態系が変化し病原菌を媒介する生物が増えた」「交通手段の発達により限られた地域の感染症が世界的に拡散しやすくなった」などだ◆複数の薬に耐性を持つ多剤耐性結核菌の出現や、主に熱帯・亜熱帯地域で流行するデング熱の日本国内での感染などが当てはまる。科学文明の発達は、感染症を押さえ込むこともあれば、復活を手助けしてしまうこともあるから厄介だ◆ともあれ予防に努めたい。適度な運動、十分な睡眠、バランスのとれた食生活を心掛け、体の免疫力を高めておく。うがいや丁寧な手洗いも欠かせない。ワクチンがある感染症には予防接種を忘れずに。(幸)

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