eコロンビア和平 日本は地雷除去で積極支援を
- 2016.10.14
- 情勢/解説
公明新聞:2016年10月14日(金)付
半世紀にも及ぶコロンビア政府と左翼ゲリラとの紛争を真に終結させ、平和を定着させるために、日本の支援がより一層重要となろう。
南米コロンビアでは1964年に左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)との内戦が開始されて以来、30万人以上が死亡・行方不明になったという。この争いを終わらせるべく、同国のサントス大統領は和平交渉に踏み切り、4年間もの交渉の末、今年9月、和平合意が政府とFARCとの間で交わされた。
今月2日の国民投票において和平合意が僅差で否決されたのは残念だが、政府とFARCは双方とも引き続き和平をめざす意向を示している。サントス大統領は和平への努力が評価され、7日にノーベル平和賞の受賞が決まった。内戦終結へ難局に挑んできた努力に心より敬意を表したい。また、われわれも和平プロセスをしっかりと見守っていきたい。
和平合意を見据えた平和の定着へ、日本はどう関わるべきか。とりわけ埋設数が世界で2番目に多いという地雷の除去支援に着目したい。国土の約7割が地雷原といわれる中で、被害者は1990年から現在までに1万1000人を超え、その4割は民間人だ。日本が誇る高い除去技術は、コロンビアの再建に必要不可欠なものであろう。
日本はこれまでも、政府開発援助(ODA)などで地雷除去機や除去活動を監視するための車両の供与、リハビリテーション施設の整備などを積極的に行ってきた。
「人間の安全保障」を外交政策の柱に掲げる公明党は、地雷除去支援を通じた国際貢献を積極的に推進してきた。コロンビアに関しても、9月に同国を訪れた山口那津男代表が、サントス大統領との会談の中で地雷除去を含めた包括的な支援を表明。現地で除去訓練の様子も視察した。
この11日の参院予算委員会でも、平木大作氏が2016年度補正予算を活用して地雷除去支援を進めるよう主張し、安倍晋三首相から積極的な答弁を引き出した。
将来的には、地雷の除去だけでなく地雷による被害者への支援拡充や、除去作業を通じた現地の雇用創出などについても需要が高まるはずだ。