e消費生活 より豊かに

  • 2016.10.28
  • 情勢/経済
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公明新聞:2016年10月28日(金)付



日本に最大の経済効果
輸出拡大 農家の所得向上が最重要
衆院TPP特委で岡本氏



27日の衆院TPP特別委員会で公明党の岡本三成氏は、環太平洋連携協定(TPP)による輸出拡大の好機を生かし、農家の所得向上に焦点を当てた対策などを求めた。

岡本氏は、TPPの経済効果に関する世界銀行の試算を紹介し、「(参加12カ国の中で)圧倒的に恩恵を受けるのが日本で、その額は13.1兆円。国民一人当たり約10万円強だ」と力説。さらに、牛肉を良質な国産と安い外国産から選べるようになる点などを例に挙げ、「消費者の選択肢が増えること自体が大きな価値だ」と訴えた。

安倍晋三首相は、TPPの利点について「消費者は安く、さまざまなものが手に入るようになる。消費生活をより豊かにするのは間違いない」と強調。さらに「人口が減る日本がGDP(国内総生産)を伸ばすには、成長していくアジア・太平洋地域の大きな経済圏の中で活動していくしか道はない」と述べた。

岡本氏は、農林水産物・食品の輸出額を2019年に1兆円まで増やす政府の目標について、「農家にとっては輸出額が1兆円になっても、自分の所得が増えなければ何の値打ちもない」と指摘。TPPの活用を含め、政府の目標は「農家の所得を向上させること」であり、明確なメッセージを発信するよう求めた。

安倍首相は、農業分野における今後の対策について「農家が豊かになることが、まさにポイントだ」と強調。「農家の所得を増やす観点から、生産資材、農産物の流通・加工構造の改革の具体策について年内を目途に改革プログラムを取りまとめる」とし、「政府全体で改革を進め、農家の所得向上を実現したい」と決意を述べた。

岡本氏は「今回のTPPで一番恩恵を受けるチャンスがあるのは大企業ではない」との認識を示した上で、国際競争力を持つ中小企業・小規模事業者にとって絶好の機会になると強調。大企業のような海外取引の専門部門を持たない中小企業の海外展開を政府系機関などが支える「新輸出大国コンソーシアム」に言及し、輸出促進の取り組みを機能させるため、コンソーシアムの職員が事業者の相談に丁寧に対応するよう求めた。

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