e鳥取地震1週間 観光・農業に大きな被害

  • 2016.10.31
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年10月29日(土)付



宿泊キャンセル1万件超



鳥取県中部で最大震度6弱を観測した地震は28日、発生から1週間を迎えた。震度1以上の地震は21日から計250回を超え、倉吉市などでは今も350人近くが避難を続ける。1万件を超える旅館やホテルの予約キャンセルがあり、県は対策を急いでいる。

観光面では、揺れが強かった県中部だけでなく、大きな被害がなかった東部や西部も影響を受けた。28日時点のキャンセル約1万1000件のうち、中部と、境港市や米子市などの西部が各約5000件、鳥取砂丘がある鳥取市などの東部も約1000件を数える。県観光交流局の担当者は「鳥取県は元気ですと積極的にPRしていく」と話し、対策を急ぐ。

農業の被害も大きい。収穫直前だった特産品のナシが落下したほか、選果場の破損などもあり、被害総額は6億8000万円を上回る見通しだ。県は傷の小さいナシを「訳あり品」として安く販売する際にかかった経費を負担するなど、支援を進める。


350人近く今も避難所に 公明議員、住民の激励に奔走

28日午後6時現在、鳥取県倉吉市、三朝町、湯梨浜町、北栄町の避難所25カ所には345人が避難している。依然として、余震が続く中、自宅に帰りたくても帰れない人が不安な避難生活を余儀なくされている。

県内2市4町の住宅被害は全壊2棟、半壊3棟のほか、屋根瓦が剥がれるなど一部損壊が5700棟。応急危険度判定士による危険度判定では、28日現在、立ち入りが「危険」な住宅は265棟、「要注意」が1052棟に上っている。

自宅が損壊したり、片付けが進まないことなどで避難生活の長期化が懸念される中、倉吉市議会公明党の高田周儀、鳥飼幹男両議員は発災以来、被災住民の激励に奔走する日々を送っている。28日は市立成徳小学校、同明倫小学校、同上灘小学校の避難所を訪れ、避難者の声に丁寧に耳を傾けた。

山本純子さん(80)は「余震が怖い。避難所にいるほうが安心できる」と話し、岩佐令子さん(84)は「自宅の後片付けがなかなかできない」と語っていた。飯田恵津子さん(75)は「雨が降っているので土砂崩れが心配」と訴えた。高田、鳥飼両議員は「眠れますか」「冷え込みますので風邪をひかないでください」などと声を掛けて回った。

鳥取県は自宅を再建・修繕をする際に公的支援の対象外だった一部損壊住宅(損害基準判定10%以上20%未満)に対して、公費で独自に最大30万円を支給することを決めた。

今回の地震では、住宅被害の99%以上が一部損壊であることから、県では支援制度を改め、罹災証明を基に補助を行うことにした。一部損壊に公的資金を投じるのは全国で初めて。また、損害割合が10%未満の軽微な破損に対しても「見舞金」として1万~5万円を支給する。

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