e国会論戦 国民の負託に応える好機だ

  • 2016.10.31
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年10月29日(土)付



日本の総人口が国勢調査開始以来、初の減少に転じたことが判明した。社会や経済など多方面に及ぼす影響が懸念される中、日本の針路を示す政治の役割が、今ほど問われている時はない。

あたかも現在開会中の臨時国会では、いくつかの重要法案が審議されている。

このうち、環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案は、人口減少社会において世界の成長を取り込むメリットがあり、今後の日本の成長戦略の行方を左右する。

また、無年金者対策の関連法案は、約64万人が新たに年金を受給できるようになるほか、今後、無年金に陥る人を減らすことができる。将来の安心確保に不可欠である。

こうした暮らしに直結する法案について、実りある論議が行われることを国民は期待しているはずだ。

政治はどこまでも「一人」に光を当てたものでなくてはならない。

参院選で初当選した公明党の新人議員も相次いで質問に立った。居住地域外からでも申し込めるはずの認定こども園について、役所に申し込みを断られた保護者の声を取り上げ運用の改善を訴えた議員や、中小企業の経営強化策の必要性を主張した議員など現場の声をもとに政策提案につなげる内容が目立った。

国民の生活向上に向けた議論には"今、国民が何に困っているのか"を的確にキャッチする姿勢が不可欠だ。公明党の真骨頂である現場主義を徹底して貫き、国会論戦に生かしてもらいたい。

一方で、今国会は野党第1党の民進党の姿勢が注目されていた。蓮舫新代表が、これまでの批判一辺倒から提案型の路線に転換すると宣言していたからだ。

ところが、ここまでの同党の論戦を見る限り、「提案数が少ないし、提案の内容も現実味に欠ける」(日経)、「どうしても首相への批判が先走る」(産経)との印象が否めない。

国民の負託に応える議論の実現は、野党から建設的な提案があってこそだ。批判合戦に終始していては、政治は前に進まない。非難の応酬が有権者の失望を招くことは、米大統領選のテレビ討論会を見ても明らかである。

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