e"年金カット法案"は誤り

  • 2016.10.31
  • エンターテイメント/メディア

公明新聞:2016年10月31日(月)付



万が一に備えルール見直し将来の給付低下防ぐ
長時間労働是正へ対策強化
NHK番組で上田氏



公明党の上田勇政務調査会長代理は30日午前、与野党の政策責任者とNHK番組「日曜討論」に出演し、年金額改定ルールの見直しが盛り込まれた国民年金法改正案に関して、一部野党による"年金カット法案"との批判は「誤解を与える内容だ」と指摘。将来の給付水準が低下しないよう、万が一、賃金が物価以上に下落した時には賃金に合わせた年金額にするというルール見直しの趣旨を踏まえ、冷静な議論を訴えた。

上田氏は、今回のルール見直しの背景として、近年、デフレ下で物価も賃金も共に下落する事態が生じたにもかかわらず、なるべく年金額を減らさないようにしてきたため、「現役世代との間で(相対的に)年金額が上がるということが起きた」と指摘。自公連立政権として「今後こういったことが起きないよう経済運営をしっかりやっていく」と力説した上で、「世代間の公平性や将来のことを考え、万が一のそういう(賃金が物価以上に下がるような)場合に(備えて)、新改定ルールを導入しようということだ」と述べた。

また上田氏は、同法案には低所得者への配慮措置として、2021年度の新たな年金額改定ルールの導入に先立ち、19年10月から最大で年6万円の福祉的給付が盛り込まれていることを強調した。

働き方改革に関して上田氏は、大手広告代理店で長時間労働が続いた20歳代女性社員の自殺が過労死と認定された件について、「とても痛ましいことで、二度と繰り返してはならない」と強調。長時間労働の是正へ、企業の規模や経営実態、雇用形態などさまざまな状況を考慮し、「丁寧に一つ一つの問題に対応できるよう議論を進めなければならない」と語った。

残業時間の上限規制については、現行法令下で長時間労働が十分是正されていないことから「(新たに)法令で規制していく方向性はやむを得ない。与党の中でも議論すべき」と述べた。

勤務終了時から次の始業時までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」については、「健康管理をするためには必要だ。制度化できるよう検討したい」との考えを示した。

一方、上田氏は、衆院TPP特別委員会で審議中の環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案について、「野党の質疑を見ていると、かなり議論は尽くされてきた。採決を提案する時期に近づいている」との認識を示した。

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