eコラム「北斗七星」

  • 2016.11.01
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年11月1日(火)付



「キレのよい曲球と、スピード豊かな内外角球」で相手を翻弄した投手、「全試合を通じて五割の高打率を記録」した打者などが熱戦を展開。60年ほど前にハンセン病の療養所、邑久光明園(岡山県瀬戸内市)で行われた野球大会の記録だ。国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)で開催されている企画展示で見た◆選手は療養所の入所者や職員。瀬戸内海に浮かぶ島に点在する三つの療養所ごとに編成されたチームの対抗戦で、生き生きと白球を追う写真が展示されている◆人権を奪われ、社会の隅に追いやられた入所者にとって、「生きていることを実感するため(中略)何か血を湧立たせるものが必要でした」と訴える展示のテーマは「生きるための熱」とあった◆今月は、17日に公明党の結党記念日を迎える。52年前の結党大会を当時の本紙は、党員代表1万5000人が定刻の30分前に集い、「会合を早く始めるほどの皆の熱気。それが早くも場内に、ワンとうなっている」と報じている◆それは政治の隅に追いやられてきた庶民の"熱"に包まれた船出だった。その熱は、人間らしく生きるための熱だったのかもしれない。政治の使命は「人間らしく生きる権利、つまり人権の保障と拡大のため」にあると綱領に掲げる公明党。あらためて人権最優先の社会構築を誓う。(三)

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