e早期承認で再交渉回避を

  • 2016.11.01
  • 政治/国会

公明新聞:2016年11月1日(火)付



参考人 知財、投資の「懸念なし」
衆院TPP特委で中川氏



31日の衆院TPP特別委員会で公明党の中川康洋氏は、環太平洋連携協定(TPP)の早期発効に向けて参加12カ国それぞれが進める国内手続きについて、日本が率先して取り組む重要性を訴えた。

安倍晋三首相は、日本が早期承認することで「貿易投資のルール作りを主導していく意思を世界に示し、取り残されまいとする機運を(承認の動向が注目される)米国内に高めることが期待される」と強調。また、米国を含む参加国で再交渉は行わないとの認識で一致しているものの、「無為に時を過ごせば、むしろ再交渉を求められる事態を引き寄せかねない」と述べ、不利益になりかねない再交渉を避け、国益を守るためにも承認案と関連法の早期承認・成立に「努力を重ねる」と語った。

一方、中川氏は同日午前の参考人質疑で、知的財産分野の保護強化の観点から著作権侵害罪に関し、TPP発効により、著作者の告訴なしでも検察が起訴できる非親告罪化されることに言及。アニメやマンガなどの二次創作に影響するとの懸念に対する意見を求めた。

一橋大学名誉教授の土肥一史参考人は、非親告罪の対象範囲が適切に限定されることを踏まえ、海賊版対策の強化につながる一方で、パロディーやコミックマーケットなどでの二次創作物に関しては「新たな創作的な部分が加味されているので、問題になることは決してない」と答えた。

また中川氏は、投資分野に国家と投資家の紛争解決(ISDS)条項が規定されることで、国などが巨額の賠償請求されることが起こり得る可能性について質問。弁護士の鈴木五十三参考人は、TPPの規定を順守すれば悪影響はないとの認識を示した。

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