e「パリ協定」が発効

  • 2016.11.07
  • 情勢/国際
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公明新聞:2016年11月5日(土)付



温暖化対策の新国際枠組み



地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」が4日、発効した。先進国、途上国を問わず全ての国が温室効果ガスの削減に取り組む初めての体制がスタート。異常気象の頻発など深刻化する温暖化問題への対応は新たな段階に入った。

パリ協定の発効は当初、欧州連合(EU)が加盟国内の手続きに手間取り、採択から2~3年かかるとみられていた。しかし、世界の温室ガス排出量の約4割を占める米中が9月に同時批准。インドやEU加盟国のドイツなどの動きも加速し、採択から1年足らずと異例の早さで発効した。

発効直後の7日からはモロッコ・マラケシュで国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が開かれる。日本からは山本公一環境相が出席。温室ガス削減目標の達成状況を各国が互いに検証する仕組みなど、協定の実行に向けたルール作りが始まる。

会期中には第1回パリ協定締約国会議(CMA1)も予定される。協定のルールを決定する重要な会議で、批准が遅れた日本は議決権のないオブザーバー参加となる。しかし、10月にマラケシュで開かれた準備会合では「全ての締約国が批准してから物事を決めるべきだ」との意見が相次ぎ、CMA1はいったん開会するものの2018年まで中断する方向性が示されている。

日本は、4日午後の衆院本会議での協定承認をめざしていたが、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる与野党攻防の影響で、この日の本会議は開催されなかった。国会で承認されれば閣議決定し、国連に批准書を提出、批准手続きが完了する。


環境先進国として貢献を     党地球温暖化対策本部長 斉藤鉄夫幹事長代行

環境の党として数多くの実績を積み重ねてきた公明党として、パリ協定を高く評価している。

京都議定書には、CO2排出量の多い米国や中国は参加しなかったが、今回は米中を含め先進国から途上国まで全ての国が初めて温室効果ガス削減の枠組みに参加する。これは大変に画期的なことだ。

今後、日本は"環境技術先進国"として国際社会の削減目標の達成に積極的に関与し、貢献していくべきであり、同協定に基づくルール作りの協議で存在感を発揮すべきと考える。


パリ協定

京都議定書に代わる2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組み。昨年末にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。途上国を含む全ての国が温室効果ガスの削減に取り組み、世界全体で産業革命前からの平均気温の上昇を2度未満に抑えることをめざす。各国が温室ガスの削減目標を提出、5年ごとに達成状況を検証するが、未達成でも罰則はない。

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