eコラム「北斗七星」
- 2016.11.10
- 情勢/社会
公明新聞:2016年11月10日(木)付
11月10日が、森繁久彌、森光子、高倉健ら3人の大スター共通の忌日ということを先日初めて知った。そこで3人をしのび、公明新聞の過去の記事から、それぞれの言葉を拾ってみた◆森繁さん。阪神淡路大震災で被災した子どもたちを励ますチャリティイベントの説明会で「旧制中学時代の友人を今度の震災で多数失った。私が育った街だから、こんな老人でも何かのお役に立てればと思って」◆森さん。演劇評論家の森秀男氏に『放浪記』に臨む意気込みを聞かれる中で「ほかの方と違い私の場合、終わると黒板を消すように全部消えてしまいますから、せりふは一から覚え直します。でも覚えていないからこそ、新鮮でいられます」◆高倉さん。映画『鉄道員(ぽっぽや)』で映画評論家・おかむら良氏のインタビューに「待ち時間も立っていることが多いです。横になりながら、出番がきたら<はい>とやればいいんでしょうけど、それができないし(略)自分を追い込んでないとダメですね」◆文化の発展に貢献した偉大な3人。読みながら生前の活躍する姿がそれぞれ鮮明に浮かんできた。文化の発展といえば、国務相として日本国憲法の制定に多大な貢献をした金森徳次郎の次の言葉も思い出す◆「文化をして戦争を滅ぼさしめるべきが至当である」。賛成。(六)