e島外から「しま留学」

  • 2016.11.10
  • 生活/生活情報

公明新聞:2016年11月10日(木)付



子どもたちを地域ぐるみで応援
学校存続と街の活性化へ
長崎・五島市



長崎県の五島列島にある久賀島(五島市)では今年度、島の小中併設校に市外から児童・生徒を受け入れる「しま留学」制度を実施している。離島留学の導入を求めてきた公明党の川崎祥司県議と相良尚彦市議はこのほど、市立久賀小中学校(柳田直子校長)を訪れ、しま留学の状況について話を聞くとともに、子どもたちの学校生活の様子を視察した。


公明議員が住民の声を受け推進

同市のしま留学は、人口減少が急速に進む離島において、積極的に児童・生徒を受け入れ、学校を維持させるとともに島の活性化につなげようと開始された。現在、約320人が暮らす久賀島では、この5年間で人口が100人近く減少しており、学校の存続が島の未来を左右する喫緊の課題となっている。

今年度は埼玉、福岡の両県と長崎市から3人の小・中学生が親元を離れて留学。島民が里親となって留学生を預かっており、子どもたちは豊かな自然に囲まれ、さまざまな体験をしながら充実した生活を送っている。久賀小中学校の校務員で里親の田中辰明さんは、「島内での暮らしを通じて一人で生きていく強さを養ってもらえれば」と期待を寄せていた。

現在、同校の児童・生徒は留学生も含め11人。限られた人数でお互いが協力しながら学び続ける環境に、留学生の女子児童は、「毎日学校が楽しい。島に来てからは、いつも友だちと遊んでいるし勉強も頑張っている」と笑顔で話す。中学1年生の男子生徒も、島に来て以来、学校を一度も欠席していないという。

柳田校長は「学校と里親と地域が一体となって子どもたちを支えている。9月の運動会も島民と実の親が参加し盛り上がった。しま留学が島を元気にする活力になっている」と目を細めていた。

同市では留学生の受け入れを来年度も実施する方針で、久賀島で5人、隣の奈留島で3人を予定している。同校の元校長で留学生の受け入れを支援する坂本泰蔵さんは、見学者や問い合わせが増えている状況を歓迎する一方で、「今後は里親の確保が必要になる」と課題を挙げていた。

川崎県議らはこの日、柳田校長の案内で授業の様子を視察。少人数の教室で伸び伸びと学ぶ子どもたちを見て回った後、給食時間に一緒に食事をしながら、学校生活や島での暮らしについて話を聞いた。

視察後、川崎県議は「学校の先生や地域の方々が家族のように子どもたちに接し、支えていると感じた。制度の充実に向け県と市が連携しながら対応していきたい」と語っていた。

離島留学については公明党が積極的に推進。2014年に同島などで行った党主催の住民懇談会で、学校存続について、遠山清彦衆院議員と共に要望を受けた川崎県議と相良市議が、議会質問でしま留学の早期実施を強く求めていた。

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