eコラム「北斗七星」

  • 2016.11.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年11月11日(金)付



「私たちは各国の仲間と共に、命を守るために知っておくべき事や減災に向けて備えるべき事について、互いの理解を深めたい」。「世界津波の日」を初めて迎えた5日、高知市で開催された大規模津波防災総合訓練で、2人の女子高生の決意表明に大きな拍手がわき起こった◆2人は、南海トラフ地震で最大34メートルの津波が想定される高知県黒潮町の県立大方高校の生徒。同町では25、26日の両日、30カ国・地域から約360人の高校生が集う防災啓発のサミットが開かれる◆サミットでは、東日本大震災被災地からの報告や津波避難訓練などを予定しているが、公明党の山口那津男代表も7日の政府・与党会議で、「防災を担う各国の人材を育成する大切な行事だ。政府もあらゆる協力、支援体制をお願いしたい」と求めた◆住民の避難カルテを作成している同町では、5日に行われた初の夜間訓練に全町民の3分の1に当たる約4000人が参加。町の防災教育に携わる片田敏孝・群馬大学大学院教授も、揺れたら逃げるという手本を見せる重要性を力説している◆揺れたら高い所へ逃げる、という津波から身を守るための行動。日本では浸透し始めているが、まだ世界の常識ではない。各国の高校生たちが、こうした教訓を共有するだけでも大きな前進となるに違いない。(祐)

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