e東北に訪日客呼び込め
- 2016.11.14
- エンターテイメント/メディア
公明新聞:2016年11月12日(土)付
震災5年8カ月 観光復興に支援を
記者会見で井上幹事長
公明党の井上義久幹事長は11日午前、国会内で記者会見し、同日で東日本大震災から5年8カ月を迎えたことから被災地の復興状況に触れた上で、「農業、水産業、商工業などの生業も相当復興が進んでいるが、一番遅れているのは観光だ。特にインバウンド(訪日外国人旅行者)の確保に、政府もさらに力を入れてもらいたい」と訴えた。
井上幹事長は、いまだ13万8000人が避難生活を余儀なくされている現実を挙げ、「全ての被災者が心の復興、人間の復興を成し遂げるまで、しっかり寄り添い支援していく」と述べた。
また、今年の訪日客が2400万人に達する見通しを踏まえ、「5年前に比べると日本全体では約2.4倍に増えているが、東北は発災前に戻った程度だ」と指摘。ラグビーワールドカップ(2019年)や五輪・パラリンピック(20年)の国内開催を生かすなどして、「東北の復興やインバウンドの推進に思いを寄せ、関係者の協力をお願いしたい」と語った。
復興の現状については、災害公営住宅の整備をはじめ住宅や公共インフラの復興は着実に進んだものの、生活再建への不安や社会的孤立などに直面している被災者も多いとして、「政治の光が届かなかった所にも光が当たるように、引き続き公明党のネットワークを通じて被災者の支援に取り組んでいく」と強調した。
議員立法として提出されているカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備推進法案に関しては、「与野党の合意を得て審議をスタートさせることが大事だ。審議がスタートすれば、政調会長の下で党内議論をすることになる」との認識を表明。課題としてギャンブル依存症対策や青少年への影響などを挙げるとともに、「賭博罪の例外をつくるだけの社会的要請があるのか、観光に及ぼす効果についても検討しなくてはならない」と指摘した。
米国の次期大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれたことについては、「トランプ氏の選挙中の発言でさまざまな懸念の声が上がっているが、政府として米国と協議を積み重ねることが大事だ。その意味で当選直後に首相が直接、電話会談し、17日にも会談する予定など初動が大変にスピーディーであり、評価している」と述べた。