e生活困窮者自立支援 地方議員の提案が欠かせない

  • 2016.11.22
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年11月22日(火)付



仕事や健康などで深刻な問題を抱えた人の相談に自治体が応じ、就労や住居の確保といった必要なサービスにつなぐ生活困窮者自立支援制度。スタートから1年半以上が経過し、厚生労働省は根拠法の施行後3年をめどとする見直しへの議論を開始した。

生活に窮する人にどこまでも寄り添い、自立へ向け背中を押していけるよう制度の拡充を進める必要がある。

この制度では、福祉事務所のある都道府県や市などの約900の自治体に相談窓口が設置され、困り事をワンストップ(1カ所)で受け付けている。2015年度には約22万6000件の新規相談があり、就労計画など個別の支援プランの作成は約5万6000件に上った。16年度もさらに増える見通しだ。

制度の"主役"は地方である。就労訓練や家計の相談・支援、生活困窮世帯の子どもの学習支援など、自治体がそれぞれの判断で実施できる任意事業についても、16年度の実施自治体は前年度に比べて大幅に増加した。

経済は回復基調にあるとはいえ、自立に向けた支援が必要な人はまだまだ多い。引き続き自治体の積極的な取り組みを求めたい。

併せて、地方議会が重要な役割を持つことを強調しておきたい。特に任意事業の実施状況については、自治体間格差が大きいとされる。実施に消極的な自治体では、議会が行政に実施を促すことも必要であり、この点で公明議員がリード役を果たしてほしい。

助けを必要とする人たちをどう見つけ出すかも課題である。生活困窮者は孤立しているケースが多く、相談窓口に行くことさえ難しいからだ。

これに対して、公営住宅の家賃や住民税の滞納などを生活困窮のサインとし、料金徴収部門と相談窓口が連携して新たな困窮者の把握につなげている自治体がある。

こうした仕組みづくりは、地方議員が積極的に提案できるのではないか。全国に議員ネットワークを持つ公明党がその先頭に立つべきだ。

生活困窮者自立支援制度の拡充については、公明党の「生活支援プロジェクトチーム」も検討を開始した。現場の声を踏まえ、より実効性ある制度をめざしたい。

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