e来春、都内に燃料電池バス

  • 2016.11.24
  • 情勢/テクノロジー

公明新聞:2016年11月24日(木)付



国内初 官民で開発・実証、実用化
水素社会めざし公明が推進



二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを削減し、地球温暖化対策を進めるため、政府は国際的な枠組み「パリ協定」を締結する一方、クリーンな再生可能エネルギーの普及をめざし、官民合同による環境技術の研究・開発、実用化を着実に進めている。来年初頭には、水素を活用し、CO2を排出しない「燃料電池バス」の国内初となる市場販売が決定。来年3月から東京都交通局の路線バスとして、2台が都内で走り出す予定だ。「水素社会」の実現をめざす公明党が推進してきた。

日本で初めて市場販売が決まった燃料電池バスは、政府の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」で開発・実証された技術が搭載された。トヨタ自動車が日野自動車と共に2013~15年度の3年間で開発・実証を進め、「トヨタFCバス」と命名。来年3月から2台が都内で運行される。都議会公明党(東村邦浩幹事長)が燃料電池バスの導入を推進し、実証期間中の昨年7月に行われた試乗会では走行性能や乗り心地を確認。20年の東京五輪・パラリンピック開催までに100台以上の導入を提案するなど、水素社会の実現に向けて取り組んでいる。

環境技術の研究・開発は、実用化するまでの開発リスクや収益性が不確実なことなどを背景として、民間の自主的な取り組みだけでは十分に進まない側面が課題となっている。これに対し、政府の「実証事業」は、再生可能エネルギーや省エネルギーの普及など地球温暖化対策の強化につながるCO2排出削減効果に優れた技術の開発・実証を強力に推進している。

具体的には、民間提案の公募から毎年度十数件を採択し、3年程度の期間で技術開発・実証を支援。事業規模に合わせ、単年度予算として3000万~5億円(補助率の上限は事業費の2分の1)を補助する。

環境・エネルギー分野をはじめ、先端技術の開発・実証、実用化は、経済の好循環を軌道に乗せ、民間の本格的な動きにつなげる成長戦略の重要な柱として位置付けられている。燃料電池バスの実用化は、公共性や環境性から国内外を問わずニーズが高い上に、燃料電池自動車の本格的な普及促進につながるなど、大きな経済効果が期待されている。

公明党は、水素社会の実現をめざし、燃料電池自動車の普及や家庭用燃料電池システムの低コスト化など、一貫して環境技術の研究・開発、実用化を推進。成長戦略を推進する観点からも、環境・エネルギー分野の先端技術をはじめ、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ロボットなどを活用した「第4次産業革命」の実現にも力を注いでいる。

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