e鳥インフルエンザ 感染拡大防止に万全を期せ

  • 2016.12.01
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年12月1日(木)付



青森県の農場や新潟県の養鶏場で飼育されている食用アヒルやニワトリから、強毒性で鳥同士の感染力も強いH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。

青森県は農場のアヒル約1万6500羽、新潟県は養鶏場のニワトリ約31万羽の殺処分を開始。政府も、矢倉克夫・農林水産大臣政務官(公明党参院議員)を青森県に派遣するなど、地元自治体と緊密に連携し、感染拡大の防止に全力を挙げている。

鳥インフルは、人に感染する可能性は極めて低いとはいえ、今後もスピード感のある対応を心掛けてほしい。

公明党も「公明党鳥インフルエンザ対策本部」(石田祝稔本部長=政務調査会長)を直ちに設置。全国の地方議員とのネットワークを生かしながら情報収集を進め、食用アヒルの飼育農家や養鶏関係者の損失拡大の防止などに向けた取り組みを始めている。

今のところ大きな混乱は見られないものの、鳥インフルは、渡り鳥のカモ類などがウイルスの運び屋になっていると見られており、今後も渡り鳥の飛来に伴い、国内で感染が拡大する恐れがある。鳥インフルがまだ発生していない自治体も、ウイルスのまん延防止策の徹底が重要だ。

スズメのような目立ちにくい小型の鳥が感染を広げることもあると指摘する専門家もいる。確かに、養鶏場などに侵入し、鳥インフルに感染したスズメがさらに感染を広げることも十分に考えられる。

家畜伝染病予防法は、防鳥ネットの網目は2センチ以下とすると定めているが、各農家は防鳥ネットに問題はないか、今一度確認してほしい。

人が野鳥に近付きすぎないよう注意することも必要だ。野鳥のふんが靴や車のタイヤに付着し、他の地域に感染を広げることもあるためだ。

また、鳥インフルに対する誤解が無用な混乱を招き、風評被害を広げてしまうことも避けなければならない。

例えば、感染した鶏肉や卵が市場に出回ることはないが、万が一、流通したとしても、70度以上の温度に達するまで加熱すればウイルスは死滅し、食べても健康被害の恐れはないなど、鳥インフルについての正しい知識の普及も進めるべきである。

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