e返済不要の給付型奨学金

  • 2016.12.01
  • 生活/子育ての補助金・助成金
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公明新聞:2016年12月1日(木)付



来年度から一部開始
自公、首相に申し入れ
進学 後押しへ「十分な規模」



主な内容
◎来年度は経済状況が厳しい学生へ
◎金額は国公私の違いなどに応じて
◎対象は住民税非課税世帯など
◎受給者は学校推薦に基づき選定
◎社会的養護が必要な学生に配慮
◎財源は政府予算全体の中で捻出

政府・与党が創設の方針を決定している給付型奨学金に関して、自民、公明両党は30日、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、同奨学金を特に経済的に厳しい状況にある学生を対象に、2017年度から一部先行して実施することなどを申し入れた。公明党から石田祝稔政務調査会長と大口善徳国会対策委員長、給付型奨学金推進プロジェクトチーム(PT)の富田茂之座長と浮島智子事務局長(いずれも衆院議員)が出席した。

席上、富田座長と自民党PTの渡海紀三朗委員長は、給付額について「月額3万円を軸」とし、本格実施となる18年度からの対象者数は2万人規模とするよう求めた。

また、富田座長は、児童養護施設出身者など社会的養護を必要とする学生への手厚い支援の重要性を強調。これに対し、安倍首相は「それは、やらなければならない」と応じた。

申し入れ書では、17年度からの一部先行実施に加え、給付額については「進学の後押しとなる額とし、国公私立の違いやその他の状況に応じ適切に設定」するよう要請。給付対象は、貧困世帯の子どもたちの進学率を上昇させられるよう「十分な規模を確保すること」としている。

また、社会的養護を必要とする学生に対しては「特段の配慮をすること」と明記。財源に関しては「政府予算全体の中で捻出すること」と訴えている。

自公両党は申し入れに併せて「制度設計に関する提言」も提出。それによると、支給対象となる所得の基準は「住民税非課税世帯の学生等」。対象者は「学校推薦に基づき選定する」ものの、文科省などが評定値の目安など推薦基準のガイドラインを作成する。さらに、将来の活躍を期待する「チャレンジ枠」的要素も考慮する。

制度の本格実施は18年度進学者からとなる。財源に関しては、具体例として、教育・研究職に就いた場合は奨学金の返還を免除する制度の廃止に伴い、将来的に生じる財源の枠などの活用を挙げた。

終了後、富田座長と渡海委員長は記者団に対し、給付対象者数として求めた2万人の内訳について、1万人が「各学校の教育目標に照らして十分に満足できる高い学習成績を収めている者」、これに加えて「チャレンジ枠」で各学校1人(約5000人)、「給付型」に促されて進学すると想定される人(約5000人)とした。

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