eコラム「北斗七星」

  • 2016.12.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年12月3日(土)付



「女王蜂シンドローム」という言葉がある。企業の幹部に上り詰めた女性は、自分の地位に固執して同性の昇進を妨げる傾向にあるという説だ。これが虚構であるとの調査結果を、金融大手のクレディ・スイスが公表した◆世界3000社超の企業を対象に調べたところ、女性CEO(最高経営責任者)は周囲に女性幹部を置く傾向が強く、例えばCFO(最高財務責任者)に女性が就いているケースは、男性CEOの企業より女性CEOの企業が50%多いという◆1970年代に米国で生まれたとされる「女王蜂」の話は、女性の社会進出を阻む目に見えない"ガラスの天井"の一つだったのではないか。ちなみに同じ調査では、経営幹部に占める女性の割合が高い企業ほど株主への配当が高いことも明らかにしている◆「世界経済フォーラム」の報告書によると、男女平等に関して日本は144カ国中111位だった。自公政権の取り組みで男女の賃金格差などは着実に改善されているが、女性経営者の割合などで他国に遅れをとっている◆日本が直面する課題の解決や社会の発展には女性の力が欠かせない。このため政府は、指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%に高める目標を掲げている。公明党全議員の3割を占める女性議員の活躍にも期待がかかる。(幸)

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