e無料学習支援の枠拡大

  • 2016.12.07
  • 生活/子育ての補助金・助成金

公明新聞:2016年12月7日(水)付



中学生対象 消防署の会議室活用で
名古屋市



名古屋市はこのほど、子どもの貧困対策として実施している中学生対象の無料の学習支援事業について、来年度から、学習会場として市内16区の各消防署の会議室を活用した受け入れ枠の拡大を決めた。消防署の施設を活用した学習支援は全国的にも珍しい。

同市では、家庭の経済状況による教育格差をなくそうと、中学生の学習支援について、生活保護世帯は2013年度から、ひとり親家庭は14年度からモデル事業を実施。さらに今年度から別々に実施していたモデル事業を統合し、定員を増やして本格的にスタートした。

ところが、募集定員816人に対し、約1300人の応募があり、450人以上が受講できなかった。その中には受験を控えた中学3年生が137人含まれていたという。

こうした事態に心を痛めた公明党の馬場規子市議は、受け入れ枠の拡大を要請してきたが、一向に拡大されないことから、11月定例会の一般質問で「役所仕事に来年度はあっても、中学3年生に"来年度"はない」と指摘。その上で「貧困の連鎖を断ち切るためには教育の支援が大変重要」と強く主張し、対策として各消防署の会議室を活用して新たな学習会場を早急に確保するよう要請した。

これに対し、市側は消防署の会議室の活用について、消防法などには抵触しないと述べ、「中学生や保護者にとって消防署の業務への理解や親しみにつながるきっかけになる。前向きに検討したい」と答えていた。

また、河村たかし市長は「子どものニーズに100パーセントお応えしたい」と、年度内の受け入れ枠も拡充する考えを示した。

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