e公用車に燃料電池車
- 2016.12.09
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年12月9日(金)付
外部給電器を搭載 震災時は非常電源に
熊本県
環境に優しい水素社会の実現へ――。熊本県が今年6月から公用車として本格使用を始めた燃料電池自動車と、県庁東門付近に設置した燃料の水素を供給するスマート水素ステーションが県内外から注目を集めている。導入を訴えていた公明党県議団の前田憲秀議員はこのほど、県産業支援課の三輪孝之課長らから説明を受けるとともに、同車の乗り心地を体感した。
燃料電池自動車は、燃料の水素と空気中の酸素を燃料電池の中で化学反応させて発電した電気を使って走るエコカー。走行時に二酸化炭素などの排ガスを出すことなく、化学反応で発生した水のみを排出するのが特長だ。2015年度内の導入を決めていた県は今年4月からの使用を予定していたが、熊本地震の影響などで水素ステーションの稼働延期を余儀なくされていた。
意見交換の中で三輪課長は、災害発生時に同車が"走る非常電源"になる利点に触れ、「トランクに収納されている外部給電器を使えば車から電気を取り出すこともできる」と説明。自治体や企業、県民への普及啓発に取り組み、「県内の水素関連産業の振興につなげたい」と力を込めた。
燃料電池自動車については、15年2月定例議会で前田議員が、導入に向けた具体的な取り組みを要求。これに対して蒲島郁夫知事が「普及促進は低炭素社会の実現や県内の産業振興に寄与する」として、普及促進計画を15年度中に策定する考えを示していた。
視察を終えた前田議員は「熊本地震を経験し、ガソリンを使わず非常用電源にもなる燃料電池自動車の必要性が高まっている。さらなる普及啓発を後押ししたい」と語った。