eTPP承認、関連法が成立
- 2016.12.12
- 情勢/国際
公明新聞:2016年12月11日(日)付
自由貿易推進へ意思示す
アジア太平洋地域に自由で公正な経済圏を実現する環太平洋連携協定(TPP)が、9日の参院本会議で自民、公明の与党両党と日本維新の会などの賛成多数で承認された。国内対策を進める関連法も可決、成立した。
TPPは日米など12カ国が参加し、人口約8億人、世界の国内総生産(GDP)の4割を占める経済圏を構築する広域の自由貿易協定(FTA)。参加国間で輸入品にかける関税を撤廃、引き下げるほか、投資や企業進出などに関する新たなルールを定めている。また、通関手続きの迅速化や知的財産保護の強化など、時代に即した規定も設けられている。
人口減少に直面する日本にとって持続可能な経済成長のためにアジア太平洋地域の需要を取り込むことは必要不可欠だ。政府はTPPの発効により日本のGDPを約2.6%押し上げ、13.6兆円の経済効果があると試算している。
安倍晋三首相は同日の参院TPP特別委員会で、トランプ次期大統領が離脱の意思を表明する中での承認について、高いレベルのルールを世界に広げるため、「国の意思を示すことは極めて重要だ」として、TPP承認の意義を力説した。
公明党の井上義久幹事長も同日の記者会見で、「世界の自由貿易の流れをつくる意味でも意義のある協定であり、日本が批准することで発効への道筋を付けたい。米国に粘り強く協定の意義を訴えていくことが必要だ」と強調している。