e子どもの貧困対策に取り組む公明党
- 2016.12.13
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2016年12月13日(火)付
貧困率が初めて減少
総務省の2014年「全国消費実態調査」で、子どもの相対的貧困率が前回調査(09年)より2ポイント減の7.9%に改善しました。貧困問題に詳しい湯浅誠・法政大学教授は「連立政権の中で、子どもの貧困対策など社会的弱者への支援を重視してきたのが公明党だ」(11月22日付本紙)と評価しています。子どもの貧困に対する公明党の取り組みを紹介します。
自公政権の経済政策の成果が反映
18歳未満の子どもの相対的貧困率は今回、1999年の調査開始以来初めて減少し、上昇傾向に歯止めがかかりました。
子どもの相対的貧困率が改善した要因について安倍晋三首相は、自公政権の経済政策による雇用改善など、経済の好転を挙げた上で「子育て世帯の収入が増加したことによるもの」との認識を示しました。公明党の山口那津男代表も「経済政策が着実に成果を表しつつある状況が証明できた」と評価しています。湯浅・法政大学教授は「最低賃金の大幅な上昇に加え、リーマン・ショックや東日本大震災からの立ち直りによる雇用状況の改善などが寄与した可能性がある」(11月22日付本紙)と語っています。
公明党が主導した「子どもの貧困対策推進法」(2013年成立)に基づき、政府は「子供の貧困対策に関する大綱」を14年に決定。大綱を受けて各地方自治体も対策計画の策定を進めています。沖縄県は、「『就学援助を知らなかった』という理由で制度を利用しなかった貧困世帯の割合ゼロ」など、34項目について数値目標を掲げた6カ年計画を公表しました。
「ひとり親」の支援充実
子どもの貧困が起こる背景には、シングルマザーなど「ひとり親家庭」の経済的困窮が影響しているとの指摘もあります。こうした家庭では、進学の断念などで高度な教育が受けられない子どもが大人になって困窮する"貧困の連鎖"が懸念されます。
公明党は生まれ育った環境で将来が左右されない社会をめざし、ひとり親家庭への支援を進めてきました。今年5月には、児童扶養手当法の改正を実現。ひとり親家庭の"命綱"とも呼ばれる児童扶養手当が今年8月分から拡充され、第2子以降の加算額が増えました。これまで5000円だった第2子が最大1万円、3000円だった第3子以降が最大6000円となりました。
このほか、高校生がいる低所得世帯に教育費を支給する返還不要の「高校生等奨学給付金」について、今年度から給付対象者を増やした上で支給額をアップ。低所得世帯の大学生を支援する返済不要の給付型奨学金については、特に経済状況が厳しい学生を対象に、来年度から一部先行して実施することになりました。
官民挙げて対策強化へ
子どもの貧困対策には、官と民が力を合わせた取り組みも重要です。14年の「子供の貧困対策に関する大綱」に基づき、15年10月に政府と公益財団法人「日本財団」による「子供の未来応援基金」が創設されました。企業や個人に寄付を呼び掛け、集めたお金を子どもの支援活動に取り組むNPO法人などに助成します。
基金には今年9月25日現在で6億9155万円が集まりました。内閣府は10月、初年度の助成先として子どもたちに学習や食事の支援などを展開する86団体を選定。助成の総額は3億1500万円に上ります。
公明党女性委員会(古屋範子委員長=副代表、衆院議員)は現場の調査や国会質問などで、一貫して子どもの貧困対策をリード。今国会でも、竹谷とし子・党女性局長(参院議員)が10月13日の参院予算委員会で、ひとり親や低所得世帯の負担を軽減する税制の改正を主張しました。全国の地方議員も、子どもたちに無料または低価格で食事を提供する「子ども食堂」を支援するなどの取り組みを進めています。
相対的貧困率
所得順に並べたときに中央に位置する人の半分の所得(14年は132万円)に満たない人の割合。