eコラム「北斗七星」
- 2016.12.14
- 情勢/社会
公明新聞:2016年12月14日(水)付
友人の自動車に乗せてもらった。風もなく日差しで車内は暑いくらいだ。しかし、左右の窓が少しずつ開いている。燃費を気にしているのかなあ、と思って黙っていたが、「あっ、暑かったら冷房入れるよ」と一声かけてくれたので気が楽になった◆自動車を選ぶ基準は人さまざまだが、燃費性能もその1つ。その燃費の表示が、2018年10月以降製造のものから変わる。日本独自の基準から、国連の作業部会がとりまとめた国際基準を導入する。この新基準は欧州やインドなども導入する見通しで、国際的な市場を意識しての移行といえる◆消費者から見ると、表示が3つになることが大きい。市街地での走りを想定した「低速」、郊外の「中速」、そして「高速」それぞれに数値を表示する。自動車の使い方によって、どの数値を重要視するかを消費者が判断することになりそうだ◆とはいえ、どんな走り方をしても、冷暖房(エアコン)を使えば燃費は悪くなる。カタログと実際の燃費の差は残る。エアコン使用時の燃費測定法が次の段階で検討されることになる◆友人に聞くと、エアコン嫌いなわけでも、燃費が気にならないわけでもないが、「風を受けた方が気持ちいい。救急車のサイレンも良く聞こえるし」という。なるほど、無理のないエコだと感じた。(繁)