e教育、総活躍に重点
- 2016.12.26
- 情勢/社会
公明新聞:2016年12月23日(金)付
17年度政府予算案が決定
公明が推進給付型奨学金を創設
保育士賃上げ、働き方改革推進
○返済する必要のない給付型奨学金を創設
○保育士賃上げ。自公政権下で10%増
○財政健全化計画の目安を2年連続達成
○長時間労働是正や正社員化を後押し
○公共事業は防災・減災などに重点化
政府は22日午前の閣議で、返済の必要がない給付型奨学金の創設などを盛り込んだ2017年度予算案を決定した。国の基本的な予算規模を示す一般会計の総額は97兆4547億円。歳入は税収を26年ぶりの高水準と見込み、新規国債発行を前年度に比べて622億円減らし、7年連続のマイナスとなった。政府は来年の通常国会に予算案を提出し、今年度末までの成立をめざす。
歳出は、国の政策的経費である一般歳出が5305億円増の58兆3591億円で、最大の歳出項目である社会保障関係費は、過去最大の32兆4735億円。政府の財政健全化計画は、一般歳出の伸びを16年度からの3年間で1兆6000億円程度(年平均5300億円程度)に抑える目安を掲げており、2年連続で達成している。
具体策では、給付型奨学金など教育分野を中心に、公明党の主張を随所に反映。無利子奨学金については、低所得世帯の子どもの成績基準を実質的に撤廃する。さらに、発達障がいのある子どもを別室で教える通級指導の教員を拡充するほか、大学授業料の免除枠も拡大する。
1億総活躍社会の実現に向け、子育て支援では、人手不足が指摘される保育士の賃金を約2%引き上げた上で、7年以上の経験があることなどを条件に月4万円をさらに上乗せ。保育士給与は自公政権下で合計10%の上昇となる。介護士の処遇改善では、昇級の仕組みのある事業所に1人当たり月額1万円程度加算する。
働き方改革の一環として、退社から次の出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を自発的に導入した中小企業を支援。また、非正規社員を正社員に登用した企業への助成も拡充するほか、労使折半の雇用保険料は0.8%から0.6%に下がり、会社員の手取り収入の増加が見込まれている。
公共事業費は、5兆9763億円を計上。今夏の記録的な大雨被害などを受け、防災・減災対策や日本の成長力を高める事業などへの重点化を進める。
観光庁の予算案は前年度比5.1%増の約210億円で過去最高。訪日外国人旅行者数を20年に年4000万人に増やす目標の達成に向け、受け入れ環境の整備を進める。
消費量減少が続く主食用米から飼料用米などへの転作を促す水田活用の直接支払い交付金は、72億円増の3150億円となった。
16年度補正予算案 災害対策など計上
政府は22日午前の閣議で、災害対策費など計6225億円の歳出追加を盛り込んだ2016年度第3次補正予算案を決定した。
歳出全体のうち、災害対策費は1955億円。夏から秋にかけて北海道・東北などを襲った台風や豪雨に伴う災害復旧費のほか、熊本地震関連でも災害廃棄物の処理費用を追加した。
また、北朝鮮の相次ぐミサイル発射などに対応する1706億円の防衛関連経費を計上。国際機関への分担金や拠出金なども1685億円追加した。