e糸魚川大火 避難者から不安の声

  • 2016.12.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年12月24日(土)付



ビル焼け焦げ、残骸も



新潟県糸魚川市の大規模火災は23日午後、約30時間ぶりにようやく鎮火した。市中心部の現場は家屋やビルが黒く焼け焦げ、残骸が溶け落ちた建物も。周囲は焦げた臭いが立ち込めていた。「一体どうしたらいいのか」。変わり果てた街に住民は肩を落とした。

両側から崩れた建物のがれきで、人が通れなくなった路地も。火元となった中華料理店では同日朝から、現場を実況見分する警察官や消防隊員らが慌ただしく出入りしていた。

「ぼうぜんとするしかない」。避難所から戻ったパート従業員の小竹恵美子さん(65)は、全焼したわが家を目の当たりにした。「何もなくなってしまった。これからの生活をどうしたらよいのか」と不安を隠さなかった。

JR糸魚川駅前の施設に市が設置した相談窓口には多くの避難者が訪れた。

現場に自宅がある倉又さかえさん(71)は、「隣に火が迫って逃げた。携帯電話も置いてきた」と言葉少な。「早く家に住みたい。戻りたい」と訴えた。


発生30分後には強風で複数の火の粉


新潟県糸魚川市で発生した大規模火災で、出火から約30分後には、強風にあおられて火の粉が飛んでいたとみられることが23日、住民の証言で分かった。市消防本部も複数の「飛び火」が発生したと説明している。

同本部によると、22日午前10時半ごろ、糸魚川市大町の中華料理店から出火した。避難勧告が出された地区で自宅が被災した女性によると、同11時ごろには周囲に火の粉が飛び、熱風が吹いていた。女性は道路の反対側から飛んできた火の粉が、自宅の隣家を飛び越えていくのを目撃。「約30メートルは飛んだ」と話した。

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