e介護休業 3回まで分割
- 2016.12.29
- 情勢/社会
公明新聞:2016年12月29日(木)付
育休取得 非正規の要件を緩和
仕事と家庭の両立へ
子育てや家族の介護をしながら働く人を支援する育児・介護休業制度が来年1月1日から改善され、利用しやすくなる。介護休業の分割取得や、有期契約で働く非正規労働者が育児休業を取得する要件の緩和などが主な柱。いずれも仕事と家庭生活の両立に向け、公明党が今年3月に成立を後押しした改正育児・介護休業法に基づく取り組みだ。
公明が推進、来年1月から
改正法では、家族の介護や看護を理由とする離職が年間約10万人に上る現状を受け、特に介護分野が大きく変わる。
このうち介護休業は、病気やけがで2週間以上、「常時介護を必要とする状態」になった家族1人につき最長93日の取得が可能だが、従来は1度でまとめて取得することになっていた。今回、それを改め、3回を上限に分割して取得できるようにする。
介護休業は労働者が勤務先に申し出ることで取得できるが、介護をしながら働く労働者が実際に利用した割合は、わずか3.2%(2012年総務省調査)にすぎない。そこで今回の改正では、制度の利用を促すため、介護の初期、中間、終わりなど各段階に応じて休業できるようにした。
「常時介護を必要とする状態」の判断基準も明確化され、家族が▽要介護2以上▽歩行や食事の介助などで厚生労働省が示した基準に該当―のいずれかであれば、介護休業の対象となる。介護期間中の短時間勤務などについては、介護休業の日数と合わせて93日が上限となっている現行制度を変更。介護休業とは別の制度として3年間利用できるようにする。
通院の付き添いなどの際に利用できる介護休暇(対象家族1人につき年5日、2人以上は同10日)は、1日単位での取得を柔軟化し、半日単位の取得を認める。介護の必要がなくなるまで残業の免除が受けられる制度も新設される。
さらに、これらの制度の対象家族として、同居・扶養していない祖父母、兄弟姉妹、孫が追加される。
一方、育児分野では、有期契約で働く労働者の育児休業取得を困難にしていた「勤務先に申し出た時点で、子どもが1歳になった後も雇用継続の見込みがある」との要件を廃止。「子どもが2歳になるまでに契約が切れることが明らかな人を除く」との要件は「1歳6カ月」に緩和する。
併せて、育休の対象に特別養子縁組成立前の試験的な養育期間(監護期間)中の子どもなどを追加。小学校就学前の子ども1人につき年5日(2人以上は同10日)の看護休暇は、介護休暇と同様、半日単位での取得が可能になる。
なお、企業によっては法律よりも手厚い規定の育児・介護休業制度を設けている場合がある。
公明党は「介護離職ゼロ」や子育て支援の充実に向け、国会質問や政府への提言を通して育児・介護休業制度の改善を重ねて訴えるなど、今回の法改正を強力に推進してきた。