e人口減少時代 「女性の活躍」加速する1年に
- 2017.01.10
- 情勢/解説
公明新聞:2017年1月7日(土)付
本格的な人口減少時代をどう乗り越えるか。日本が直面する難しい課題に総力を挙げて取り組む1年としたい。
厚生労働省の推計によると、昨年の出生数は過去最少の約98万人で、統計開始以来初めて100万人の大台を割り込む見通しとなった。日本が歴史上かつて経験したことのない少子高齢社会でも、活力を維持し発展できるよう取り組みを加速させなければならない。
言うまでもなく人口の減少は、個人消費や労働力の低下を招いて経済の発展を阻害し、年金や医療、介護など社会保障制度の基盤を揺るがす恐れがある。人口減少が社会の活力を奪い、さらなる人口減少が進むといった悪循環を防ぐ手立てが必要だ。
その一つが、女性や若者、高齢者らの活力を生かす1億総活躍社会の実現である。中でも、女性の活躍推進は最重要課題だ。この点で、自公政権は取り組みをスピードアップさせている。
今月1日からは、育児・介護休業制度が改善され、介護休業を3回に分けて取得できるようになった。マタニティーハラスメント対策を強化する改正男女雇用機会均等法も同日施行された。
2017年度予算案には、待機児童解消に向けた保育士の賃金約2%アップや、非正規社員を正社員にした企業への助成金増額などが盛り込まれた。いずれも、公明党が一貫して推進してきた政策だ。
さらに自公政権は、ICT(情報通信技術)を活用して場所や時間にとらわれずに働くテレワークの普及や、同一労働同一賃金の実現など「働き方改革」もめざしている。安定した政治の下、こうした取り組みを大胆かつ着実に進めていくことが求められよう。
自治体レベルの動きも後押ししたい。例えば、自治体や企業が連携し、子育て世帯が割引などのサービスを受けられる「子育て支援パスポート事業」が広がり、自治体間の相互利用も始まった。協賛企業の拡大やサービス拡充へ、公明党の地方議員がネットワークの力を生かしてリード役を担ってほしい。
女性の活躍のための環境を着実に整えることこそ、困難な時代を乗り越えるカギにほかならない。