eコラム「北斗七星」

  • 2017.01.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年1月19日(木)付



かつては車道との段差がない狭い歩道に電柱が立ち並び、歩行者を悩ませていた自宅近くの一本道。最寄り駅まで続くその道の歩道拡幅と同時に、電線類を地中に埋設する工事が一昨年末にほぼ終わり、最近、残った部分の工事も始まった◆歩行を妨げ、桜並木の景観を損ねていた電柱と電線が消え、「街の風景が変わると、気分も変わるわね」と妻。北斗子も同感だ◆だが、無電柱化の現状は厳しい。日本全国に立つ電柱は3500万本超に上り、毎年約7万本ずつ増え続けている。無電柱化率は最も整備が進む東京23区で7%。100%のロンドン、パリ、香港、95%の台北など各国の主要都市と比べ、立ち遅れが著しい◆そんな現状を打開しようと、昨年末に施行されたのが無電柱化推進法だ。災害時の安全確保や景観の美化をめざし、国に無電柱化の推進計画策定を義務付け、自治体にも計画作りを求めている◆公明党は、東日本大震災で約5万6000本の電柱が倒壊し避難や救助に支障をきたした教訓から、「防災・減災ニューディール」を提唱する中で無電柱化を掲げ、同法成立を強力に推進した。今後も2020年の東京五輪・パラリンピックを見据え、課題であるコスト圧縮への技術開発などを後押ししながら、全国規模での取り組みを加速させていきたい。(翼)

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