e党幹部座談会 公明の真価発揮へ(4)
- 2017.01.19
- 情勢/社会
公明新聞:2017年1月19日(木)付
来年度予算で景気力強く
教育立国へ大きな一歩 給付型奨学金を創設
税制改正 庶民、中小企業守る減税
山口那津男代表 いよいよ20日から通常国会が始まる。国内外の課題は山積だが、国民目線の政策実現を貫く公明党の強みを存分に発揮し、経済再生や、働き方改革などによる「1億総活躍社会」の実現へ結果を出していこう!
井上義久幹事長 今年は、景気回復を本格軌道に乗せることができるか正念場の年だ。16日発表された日銀の「地域経済報告」でも、多くの地域で低迷が続く個人消費に改善の兆しが報告されている。通常国会では、まず今年度第3次補正予算案と来年度予算案、関連法案の早期成立と迅速な執行に全力を挙げ、政府の財政支出の拡大で景気回復の流れを軌道に乗せたい。
石田祝稔政務調査会長 来年度予算案では、公明党が半世紀も前から訴えてきた、返済不要の「給付型奨学金」の創設など教育を重視する姿勢を鮮明にした。それに加えて、1億総活躍社会を進めていく上で欠かせない保育士や介護士の処遇改善に向けた施策、さらに中小企業の活性化など、公明党の主張を大きく反映させ、生活現場の幅広い分野にきめ細かく手当てしたバランスの良い予算案だ。
魚住裕一郎参院会長 給付型奨学金の創設は、「長く『貸与型』のみだった日本において、給付型奨学金が創設されたことは画期的」(東京大学の小林雅之教授)などと評価の声が高い。ほかにも無利子奨学金の貸与人数の拡大や返還額を所得に応じて変える「所得連動返還型奨学金」が導入される。教育を「未来への投資」と位置付け、来年度予算案の成立を新たな教育立国をめざす第一歩にしたい。
石田 地域経済の活性化なくして、経済再生はありえない。そのカギを握るのは観光振興だ。昨年の訪日外国人観光客数が2400万人を超え、過去最高を記録したのは朗報だが、「2020年に4000万人」の目標達成に向けては課題も少なくない。
魚住 日本には地方にも豊富な観光資源があるだけに、大都市だけでなく、地方にも足を運んでもらいたい。そのために、来年度予算案では、観光資源の魅力向上や訪日プロモーションの強化、宿泊施設の確保など快適な旅行環境の整備に向け、過去最高の予算額210億円を計上した。
新規国債の発行7年連続減らす
北側一雄副代表 来年度予算案では、税収が57.7兆円と26年ぶりの高い水準に達する一方、財政健全化にも目配りして、国の新たな借金である新規国債発行額を7年連続で減らした。
大口善徳国会対策委員長 ただ、16年度の税収が想定より落ち込む見通しであることから、昨年の熊本地震や台風禍復旧などに充てる補正予算案で税収見通しを下げ、約1.7兆円の国債を追加発行し財源に充てることになった。財政健全化が遠のかないように、税収の伸びにつながる景気回復は不可欠だ。
石田 今回の予算編成に当たって、政府内には社会保障費を抑えるため、70歳以上の高齢者の高額療養費制度を大幅に見直す考えがあった。当初の厚生労働省案は、中所得者の外来診療の医療費負担の上限額を現行の月1.2万円から倍増させるものだったが、公明党が断固反対し、1.4万円にとどめた。しかも、年間支払額の上限は現行と同じ1.2万円の12カ月分の14.4万円とした。頻繁に通院する高齢者に配慮したものだ。
北側 来年度税制改正の特長は、「庶民と中小企業を守る大減税」となっている。具体的には、配偶者特別控除の拡大で配偶者の年収要件を103万円以下から150万円以下にまで引き上げ、パートで働く主婦などがいる世帯の収入を増やす。ただ、夫の年収が1120万円を超えると段階的に控除額が少なくなる。
大口 約600万人とされるパート主婦の93.5%が対象となり、500万を超す世帯がこの減税の恩恵を受ける。
井上 一方で、企業の賃上げを後押しするため「所得拡大促進税制」を拡充すると同時に、中小企業向け設備投資促進税制(固定資産税の減免措置)の対象にサービス業を加えた。GDP(国内総生産)の約7割を占めるサービス業の生産性を向上させ、賃上げができる環境を生み出していきたい。
山口 今回の税制改正は「現場のニーズに応えたもの」(全国商工会連合会の乾敏一専務理事)などと評価をいただいている。こうした国民の心に響く政策を生み出すには、常に現場を知らなければならない。今後も国会議員自ら地域に飛び込むとともに、地方議員とのネットワークの力を最大に発揮していきたい。