e"ペナルティー"見直し
- 2017.01.20
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2017年1月20日(金)付
子ども医療費
独自助成の自治体への補助金減額 未就学児分は廃止
政府
今や全ての市町村に広がった子ども医療費への独自助成――。これに対し、政府は、独自助成が医療費の増大を招くとして、実施した市町村に対する補助金を減額調整するペナルティー的な措置を続けてきたが、公明党の強い主張を受け、未就学児までを対象とする助成については、2018年度から減額調整措置を廃止することを決めた。この見直しによって生じた財源を他の少子化対策の拡充に充てるよう求める内容とともに、厚生労働省が昨年末、全国の自治体に通知した。
浮いた財源、少子化対策に
公明の主張実る
現在、医療保険制度における医療費の窓口負担は、就学前が2割、小学生以上は3割だが、公明党の地方議員が各議会で提案、推進してきたことなどを受け、未就学児については、全市町村が助成制度を設け、実際の負担は全国的に減免されている。
一方で国は市町村による独自の医療費助成によって受診機会が増え、医療費の増加を招くとして、一部の例外を除き、増えたとされる医療費分を市町村が運営する国民健康保険に対する補助金から差し引く減額調整措置を実施。その総額は14年度、全国で110億円超に上り、地方から廃止を求める声が上がっていた。
そうした要請を踏まえ、公明党は、山口那津男代表が15年2月の参院本会議で、各自治体に人口減少問題への意欲的・自発的取り組みを促す観点から「こうしたペナルティーは見直すべき」と主張したほか、党内に「子どもの医療等検討小委員会」(委員長=桝屋敬悟衆院議員)を設置し議論。自治体や地方議員の意見を聞き、それを踏まえながら厚労省に見直しを強く促した。
これを受けて、厚労省は検討会を設置し、制度見直しに着手。16年3月には、減額調整措置を「早急に見直すべき」との見解をまとめ、政府の「ニッポン1億総活躍プラン」にも「見直しを含め検討し、年末までに結論を得る」と明記された。
減額調整措置の見直し内容の具体化に向けた議論でも公明党は、「全ての自治体を対象とすべき」と訴え、「財源を活用して他の少子化対策の拡充を(自治体に)求めることが必要」と主張。これらは、今回の見直しに盛り込まれた。