e人気高まる波乗りのまち
- 2017.01.23
- 情勢/社会
公明新聞:2017年1月21日(土)付
全国屈指のスポット
ビーチハウス整備
サーファー客10年で3倍
宮崎・ 日向市
サーフィンで地域おこし―。全国屈指のサーフスポットを有する宮崎県日向市では、この10年間でサーファー客数が3倍に増え、大きな注目を集めている。市議会公明党の三樹喜久代、治田修司の両議員はこのほど、お倉ヶ浜(同市)の海水浴場を訪れ、関係者から話を聞いた。
温暖で、年間を通してサーフィンに最適な波が多い同市の海水浴場には、サーフィンを楽しもうと幅広い世代が訪れる。"日向の波"に魅せられ、県外から移住してきたサーファーも多い。
同市には、お倉ヶ浜をはじめ、金ヶ浜や伊勢ヶ浜などサーフィンに適した海水浴場が多く、2015年のサーファー客数は約22万7000人に及んだ。7万8000人程度だった06年から10年間で3倍に増加したことになる。
県外から親子連れ、移住者も
お倉ヶ浜の海水浴場周辺でサーフショップ「Dear Surf]を営む海埜士店長は、「市内のサーファーも多いが、店を訪れる人の7割は県外の客。以前は年齢層が高く、プロサーファーが多かったが、今では小学生の子どもが親と一緒にサーフィンを楽しむなど、初心者でも楽しめるという認識が広がっている」と笑顔を見せる。
市によると、波の質はもちろん、この10年の間でビーチハウスや温水シャワー、駐車場などの整備が進み、利便性が向上したことがサーファー客数増加の大きな要因だという。また、15年3月、福岡県北九州市を起点に大分、宮崎両市を経由し鹿児島市に至る東九州自動車道の、大分県佐伯市にある佐伯インターチェンジ(IC)と蒲江IC間が開通し、交通の便も良くなった。
サーフィンを核にした街づくりも活発で、市は昨年12月から、「サーフィンのまち」として全国的な知名度の向上を図ろうと、「リラックス・サーフタウン日向」プロジェクトを開始。市のプロモーション事業の一環として、PRサイトの開設や、同市への移住相談会の実施を通して、19年までに「年間のサーファー客数25万2000人」「新たな移住者200人」をめざす。
東京五輪の正式種目入りで関心
市総合政策課政策推進係の橋口智一主任主事は、「20年の東京五輪でサーフィンが正式種目に決まったことによって、サーフィンへの関心は全国的に高まっている。サーフィンをしながら働きたい、学びたいという人への情報提供や相談・サポート態勢を構築し、定住人口の増加を促していきたい」と意欲を燃やす。
この日、お倉ヶ浜の海水浴場で親子でサーフィンを楽しんでいた熊本県南阿蘇村に住む市原卓さん(40)は、「毎週末通っている。ここまで良い波があるのは日向市の海だけ」と笑顔。純くん(13)は「お父さんと波に乗るのは楽しい。友達に自慢したい」とはにかんだ。
三樹議員は13年3月の定例議会で、サーフスポットを活用した定住促進の重要性を訴えるなど、市に新たな取り組みを促していた。