e都が私立高を実質無償化
- 2017.01.23
- 生活/子育ての補助金・助成金
公明新聞:2017年1月22日(日)付
公明の主張受け表明
来年度から 年収760万円未満が対象
私立高校に通う子どもがいる家庭の経済的負担を軽く!――。東京都は2017年度から、年収約760万円未満の世帯を対象に、私立高校の授業料を実質無償化する方針を決めました。都独自で実施している返済不要の特別奨学金を拡充する形で行われます。併せて都は、入学金などの負担を減らす無利子の入学支度金貸付の額も、20万円から25万円に引き上げます。
いずれも都議会公明党が強く求めてきたもので、16日に小池百合子知事が方針を示しました。17年度予算案には、所要額として80億円が計上されます。
高校の授業料については現在、年収約910万円未満の世帯を対象に国の就学支援金が支給されており、それによって都立では年11万8800円(16年度)の授業料が実質無償化されています。一方、私立の場合は、同支援金として世帯年収に応じ11万8800~29万7000円が支給されているものの、都内平均で年44万2000円(同)に上る授業料の全てを賄うことはできません。
都の特別奨学金は、同支援金に上乗せして私立の授業料負担をさらに減らすものですが、授業料負担の公私立間格差を十分に埋められていないのが現状です。
そこで今回、子どもが私立高校に通う年収約760万円未満の世帯を対象に都の特別奨学金を増額。国の就学支援金と合わせて最大44万2000円を受け取れるようにすることで、授業料が実質無償化されます【図参照】。対象者は、都内に住む私立高校生の3割に当たる約5万1000人。都外の私立高に通う生徒も含まれます。
都議会公明党は「家庭の経済状況によって子どもの教育の機会が奪われてはならない」との理念から、昨年10月、12月の定例会代表質問で授業料負担の公私立間格差是正を主張。同11月には小池知事に直接、提言を行いました。さらに17年度予算編成に関する要望でも最重点項目に位置付け、私立高校生の負担軽減を強力に推進してきました。
都議会公明党の東村くにひろ幹事長(都議選予定候補=八王子市)は今回の拡充を評価し、「今後、(無償化の対象となる)世帯年収を910万円未満まで引き上げたい」と語っています。