e編集メモ
- 2017.01.25
- 情勢/解説
公明新聞:2017年1月25日(水)付
東京都の私立高校無償化 「実績横取り」狙う共産
東京都が、2017年度から年収約760万円未満の世帯を対象に私立高校授業料を実質無償化するため、都の特別奨学金を拡充する方針を決めたことについて、日本共産党の機関紙「赤旗」は19日付1面で、あたかも共産党の実績であるかのように報じている。わざわざ「党と住民の運動実る」との見出しを立て、現職都議のコメントまで載せる手の込みようだった。
しかし、都の方針決定は、都議会公明党の存在なくして語ることなどできない。今月16日の小池百合子知事による方針決定表明を報じた17日付新聞各紙が、「私立高の実質無償化は都議会第2会派の公明党が強く要望していた......知事は『公明党と話が整った。一致できてよかった』と強調した」(日経)、「小池氏は『公明党さんとも<これでいこう>と話が整った』と舞台裏を明かした」(東京)と伝えている通りだ。
決定に至るまでに都議会公明党は、高校授業料の公私間格差の是正を昨年10月、12月の都議会定例会代表質問で提案し、同11月には小池知事に直接、私立高校授業料の実質無償化の提言を行ってきた。その上で知事側や事務方と粘り強く折衝も重ねてきた。
一連の報道と公明党の取り組みを見れば、公明党が「授業料無償化」の"旗振り役"として重要な役割を果たし、知事の決断を引き出したことは明らかだ。
一方、今回の決定を共産党の成果と関連づける記事を17日付で載せた主要紙は一紙としてない。これでは、同党が「赤旗」でいくら"自分たちがやった"と宣伝しようが、「実績横取り」を狙っていると指摘されても仕方あるまい。
共産党による横取り狙いの"実績"アピールは、いつも選挙が近づくほど目立つようになる。とはいえ、今回は、知事が方針決定表明の際にわざわざ公明党の名を挙げた事実は動かない。「私立高校授業料無償化といえば都議会公明党」である。(丈)