eコラム「北斗七星」

  • 2017.01.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年1月26日(木)付



自動車の世界ラリー選手権開幕戦で、18年ぶりに復帰したトヨタが2位と健闘したことを新聞などの報道で今週初め知って、昨年末に見たテレビ番組『夜の巷を徘徊する』を思い出した。ラリーに挑む車が紹介されていたからだ◆同番組で豊田章男社長が一社員の名前を口にした。故・成瀬弘。『豊田章男が愛したテストドライバー』(稲泉連著、小学館)のその人で、同社長が運転の師匠と仰ぐ人物だ◆現社長になって、同社は「販売台数」至上主義から現場重視の姿勢や質実剛健さ―いわゆる「現地現物」重視の会社へ立ち戻り始める。しかし、それは決して平坦な道ではなかった◆59年ぶりの赤字、米下院委員会での社長謝罪、東日本大震災......数々の試練が続いた。その時、社長を支えたのが、この故・成瀬と培った「もっといいクルマをつくろう」という信念だった◆同社長は語る。「社長になったとき、現場に近い社長でありたいと言いました(略)。結論がなくてもファクトがある場所が現場です。そこをトップが貪欲に拾いに行かないと進歩は生まれない」。ファクトは「事実」という意味◆「現場第一主義」「調査なくして発言なし」の伝統の下、全国に展開される議員ネットワークを駆使し現場の声に常にアンテナを張る。そんな公明党の姿と重なる。(六)

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