e自然災害から復興加速
- 2017.02.01
- 情勢/社会
公明新聞:2017年2月1日(水)付
第3次補正予算が成立
家族介護者を支えよ
参院予算委
討論で平木氏、質疑で山本さん・三浦氏
災害対策費など総額6225億円の2016年度第3次補正予算が31日の参院本会議で、自民、公明の与党両党や維新などの賛成多数で可決、成立した。補正予算には、昨年、北海道と東北を襲った台風・豪雨災害からの復旧費や、熊本地震で発生した災害廃棄物の処理費用などが盛り込まれている。これに先立ち参院予算委員会で賛成討論に立った公明党の平木大作氏は、災害関連事業費を大幅に積み増した補正予算について「復興の加速化に資する」と強調。中小企業や農家らの生業再建を進めるものだと高く評価した。また、参院予算委は同日、総括質疑を行い、公明党の山本香苗参院政策審議会長、三浦信祐氏が質問に立った。
進行性難病の治療薬承認急げ
安倍晋三首相ら全閣僚が出席して行われた参院予算委員会の総括質疑で、公明党の山本さんは、非正規と正規雇用労働者の不合理な待遇差をなくす同一労働同一賃金の実現に向けた法改正を急ぐよう主張。その上で、「法改正を待つまでもなく不合理な格差として解消されるべきものがある」と指摘し、今できる取り組みを着実に進めるよう求めた。
塩崎恭久厚生労働相は、通勤手当や食堂の利用、安全管理などの不合理な待遇差は現行法でも認められないと強調し、「あらためて周知徹底する」と答えた。
在宅介護における虐待や心中といった不幸な事件が後を断たない問題に関して、山本さんは、実態把握だけでなく「分析、検証して再発防止につなげる仕組みをつくってもらいたい」と主張した。塩崎厚労相は、2017年度に国が新たに実施する死亡事案の分析結果を自治体に周知し未然防止につなげる考えを示した。
さらに山本さんは、「"老老介護"に見られるように誰かの手助けが必要な介護者が増えている」として介護者支援の充実を訴えた。塩崎厚労相は、18年度からの介護保険事業計画を市町村が策定するに当たって厚労省が示す基本指針に、家族介護者への支援を盛り込む方針を示した。
山本さんは、生活困窮者を支える無料や低額の宿泊所の支援を提案したほか、進行性難病「脊髄性筋萎縮症(SMA)」の治療薬承認を急ぐよう訴えた。
建設業の担い手確保も
三浦氏は、災害時に復旧作業の役割も担う建設業の技能労働者について、担い手を確保するために処遇改善の重要性を力説。石井啓一国土交通相(公明党)も同様の認識を示し、「技能労働者の確保、育成にしっかり取り組む」と答えた。
また三浦氏は、自衛隊の災害対応に関して、女性の視点を重視し、「災害発生の初期段階に女性自衛官の被災者支援チームを結成すべきだ」と強調した。
安倍首相は「女性自衛官による対応体制の充実、強化は重要な課題。各種災害への対応に万全を期す体制整備を検討する」と答えた。