e教育費負担 軽減せよ

  • 2017.02.02
  • 情勢/社会
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公明新聞:2017年2月2日(木)付



就学支援金「多子」で拡充を
退社から出社まで一定時間を確保 インターバル導入訴え
天下り調査 速やかに
通達の改正で下請けいじめ対策前進
衆院予算委で石田政調会長



衆院予算委員会は1日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して2017年度予算案の基本的質疑を行い、審議入りした。公明党から石田祝稔政務調査会長が質問に立ち、米国新政権への対応や文部科学省の天下り問題、働き方改革、教育費負担軽減策、中小企業支援策などについて政府の見解を求めた。=質問と答弁要旨

日米関係で石田氏は、日米間の自動車貿易の現状に否定的な見解を示すトランプ米大統領に誤解がある可能性を指摘。「関税は日本から米国(への輸出)は乗用車が2.5%、日本に来るのは関税がかかっていない」と述べ、10日に予定される日米首脳会談では、両国が正確に意思疎通できるよう「何でも話し合える関係をつくってもらいたい」と期待感を寄せた。

文科省による天下りあっせん問題について、石田氏は、同省の調査班に入る弁護士などが果たす役割の重要性に言及。全府省が対象の調査も、途中経過を明らかにしながらスピード感を持って進めるよう求めた。

働き方改革に関して石田氏は、退社から次の出社まで一定時間を空ける勤務間インターバルの導入促進を要請。17年度予算案に盛り込まれた導入への助成制度を利用できる企業数が1200程度にとどまることから、「若干少ない。もう少しやる必要がある」と述べ、一層の拡充を訴えた。

一方、教育の経済的負担の軽減について石田氏は、給付型奨学金の創設など17年度予算案で拡充が図られていることを評価し、「さらに力を入れていかなければならない」と強調。安倍首相は「今後とも必要な財源を確保し取り組みたい」と答えた。

さらに石田氏は、17年度予算案で国立大学の運営費交付金が増え、その中に計上される授業料減免も拡大されていることから、「交付金を伸ばす中で減免枠も拡大していくべきだ。私学の減免枠も増やしているが、(今後も拡大し)学ぶ機会を増やすべき」と主張。松野博一文科相は「運営費交付金、私学助成などをしっかり確保したい」と述べた。

石田氏は、高校授業料の負担を軽減する「就学支援金」について、多子世帯を対象とした拡充や、年収要件の見直しを提案。松野文科相は「しっかりと検討していく」と応じた。

中小企業支援策で石田氏は、政府が昨年12月、50年ぶりに下請代金支払遅延等防止法の通達改正を出し、「下請け代金の支払いは現金で」との原則を示したことを評価。手形取引では下請け事業者が現金を得るまで時間を要し、現金化を急げば額面金額が割り引かれ、資金繰りが悪化しがちなことを指摘した。

その上で石田氏は、昨年末の通達改正で下請けいじめ対策が「一歩も二歩も前進する」と述べ、今後の対応を聞いた。

安倍首相は、通達では「割引料を下請け事業者に負担させないことや、手形サイト(支払いまでの期間)の短縮を求めている」と強調。「現金払いの動きを強く押し進めるべく政府を挙げて取り組む」と語った。

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