eコラム「北斗七星」

  • 2017.02.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年2月7日(火)付



医師不足に悩む地方にとっては朗報である。国と北海道は新年度から、小型ジェット機に医師や看護師が同乗して患者を搬送する「メディカルジェット」の運航事業に取り組む。公明党は、国会議員と道議らが連携し、強力に後押ししてきた◆ドクターヘリが主に救急現場と病院を結ぶのに対し、メディカルジェットは、いったん病院に収容した患者の病状に応じて都市部の大病院へ移送する際などに活用される。道内では、道医師会や関係自治体、民間航空会社などでつくる「道航空医療ネットワーク研究会」が、2010年から研究・実証運航を実施し、効果などを検証した◆ドクターヘリと比べても、「天候に左右されにくく、夜間の飛行も可能」「機内の気圧変化や震動が少なく、患者への身体的負担が軽い」など利点は多い。搬送実績では、新生児を含む小児と妊産婦が約4割。小児科医や産科医が特に少ない地方の現状を補い、周産期医療など高度で専門的な治療を安心して受けられる体制づくりに貢献する◆さらに、重病患者や移植臓器を搬送するため、本州と札幌市を結んだ例も。航続距離の長いジェット機の特性を生かせば、全国的なネットワーク化も可能だろう◆格差のない医療環境の整備は、差し迫った課題。この試みが、解決の足掛かりとなることを願う。(武)

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