e日米首脳会談 同盟関係確認した意義大きい
- 2017.02.14
- 情勢/解説
公明新聞:2017年2月14日(火)付
日米同盟は「アジア太平洋地域における平和、繁栄及び自由の礎である」―。安倍晋三首相とドナルド・トランプ米大統領の首脳会談後、発表された共同声明で、このことが表明された意義は大きい。
「米国第一」主義を掲げ、多国間協調の枠組みよりも、2国間のディール(取引)を好むといわれるトランプ米大統領は、国際社会全体の利益を重視しないのではないかと各国が懸念していた。
米大統領選では、アジア太平洋地域の平和と安定に寄与している在日米軍の駐留経費の負担増を日本側に求め、さもなければ撤退を示唆するような発言もあったため、同地域への関与に消極的なのではないかとも見られていた。
だが、日米首脳会談では駐留経費問題への言及はなく、むしろ日本の米軍駐留の受け入れに対する感謝の意が示され、日米両国の強固な連携をアジア太平洋地域の平和と繁栄に生かすことで合意した。この合意を高く評価したい。
米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン上級副所長(元米国家安全保障会議アジア担当上級部長)も、「トランプ大統領自身がアジアの状況に配慮した方針を初めて明言した」(英フィナンシャル・タイムズ紙<電子版>)と安堵感を示している。ただ、問題は「この方針がどこまで続くのか」(同)であるとも指摘している。
安倍首相は今回の首脳会談で、トランプ米大統領と強い信頼関係を築くことができたに違いない。日本政府は、この信頼関係を基盤に、日米両国が、アジア太平洋地域はもとより、世界の平和と繁栄に貢献していくことの大切さを、トランプ米大統領に訴え続けてほしい。
日米首脳会談のタイミングに合わせるかのように、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を行い、アジア太平洋地域の平和を脅かす事態に早速、直面している。これに対して、日米両首脳はそろって記者発表に臨み、断固非難する姿勢を内外に発信し、信頼関係の強さを印象づけた。
経済問題では、麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領による対話の枠組みを設けた。両国とアジア太平洋地域の経済関係の強化に向け、しっかり協議してほしい。