e17年度都予算案 都議会公明党の主張が反映
- 2017.02.16
- 情勢/社会
公明新聞:2017年2月16日(木)付
がん・難病対策
都議会公明党は「福祉の党」として、都民の健康と命を守る数々の施策を実現させてきました。2017年度から、がん・難病対策で新たな取り組みが始まります。
多摩初 難病相談・支援センター開設
患者の悩み、不安に寄り添う
都議会公明党は「福祉の党」として、都民の健康と命を守る数々の施策を実現させてきました。2017年度から、がん・難病対策で新たな取り組みが始まります。
「どうして私が難病になってしまったの......」「これからどうやって生活すれば......」――。
都は17年度、難病に苦しむ患者や家族の悩みを受け止め、支えてきた「難病相談・支援センター」(渋谷区)を拡充し、都内二つ目の施設を多摩地域に初めて開設します。設置場所は、府中市にある多摩メディカル・キャンパスの都立神経病院内です。
同センターの主な事業は、保健師による療養相談や、難病患者・家族によるピア相談などで、病気の症状や日常生活における不安、家族にも話せない悩みなどについて、患者に寄り添いながら電話や面接で応対します。例えば、渋谷区の同センターでは、年間4285人が利用(14年度)しており、特にパーキンソン病や全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎などの患者から多く相談があります。
ここでの相談をきっかけに、病名が判明したり、患者会が見つかるなど、利用した多くの難病患者からは「ようやく病気と向き合える機会を得られました」「少しずつ不安を取り除くことができた」との声が寄せられています。
同センターでは、専門医による難病医療相談会や講演会、就労支援などのサービスも行われ、都内外から年間6541人(同年度)の利用があります。
都から同センターの業務を受託するNPO法人・東京難病団体連絡協議会の高橋美紀子事務局長は「難病患者は、正しい知識を得て、励まし合う仲間と出会うことで、初めて自身の病気と向かい合い、前へ進むことができます」と、同センターの重要性を強調します。
新たに多摩地域に開設するセンターでは、保健師による療養相談や就労相談などが行われる予定です。
就業応援の企業に助成金
都は、がんや難病の患者が安心して会社で働き続けられるよう、従業員の疾患管理や治療と仕事の両立に配慮する企業を支援する助成制度(就業支援事業)を、都道府県で初めて導入します。
就業支援事業は、新規採用時の「採用奨励金」と復職を支援する「雇用継続助成金」の二つに分かれています。採用奨励金は、患者の疾病に合わせて、出勤の仕方や職場内の環境整備など必要となる配慮についてプランを策定した上で採用するのが要件。企業規模に関係なく、6カ月以上継続して雇用した事業主に対して、週所定労働時間に応じ、1人当たり40万円から60万円を支給します。
一方、雇用継続助成金は、すでに働いている従業員が発症・再発により1カ月以上休職した場合、復職を支援するためのプランを策定し、6カ月以上継続して雇用した中小企業に対して、1人当たり30万円を支給。その上で、これまで病気休暇や通院休暇などの社内制度がない中小企業が、新たに制度を設けた場合、1制度当たり10万円(上限30万円)を加算します。
都が患者や家族、事業主へ実施した「がん患者の就労等に関する実態調査」(14年5月)によれば、事業主は行政などに求める支援策として「事業者への助成金・補助金」「病気での休職者の社会保険料の免除」などを挙げています。
こうした現場のニーズに応える同支援事業により、多くのがん・難病患者が職場での適切なサポートを受けながら、働き続けられる環境づくりが大きく前進します。
公明の推進で全国へ広げて
がん患者の就業を支援する一般社団法人CSRプロジェクト代表理事 桜井なおみさん
都が新たに実施する就業支援事業は、私たちが長年、望んできた"現場目線"の施策と言えます。特に、がん患者だけでなく、難病患者まで含めた点が画期的です。
働き盛りの世代が、がんや難病により仕事を失えば、経済面の損失だけでなく、生きがいの喪失にもつながります。多くの企業は、貴重な人材である従業員を、病気になっても支え続けたいと願っていますが、社会保険料や給与の負担などが重くのしかかります。だからこそ、患者を支える企業に対する助成は意義があり、大変に重要です。
また助成要件として、企業に対し患者の支援プランを求めています。これは一人の患者を職場で、どう支えていくかを具体的に検討する機会につながり、患者にとっても働き続けられる環境がより充実します。
この東京発の就業支援事業を公明党の推進で、全国の自治体へ広げていただき、多くのがん・難病患者が生き生きと仕事のできる社会を築いてほしいと思います。