eコラム「北斗七星」
- 2017.02.17
- 情勢/社会
公明新聞:2017年2月17日(金)付
江戸時代、商家の奉公人は年2回の「藪入り」が待ち遠しかった。1月と7月の16日は唯一、大手を振って休めたからだ。親元に帰ったり、小遣いをもらって芝居見物や買い物を楽しんだ◆藪入りとまではいかないが、仕事を早く切り上げ、自由な時間を過ごす「プレミアムフライデー」が来週24日から始まる。月末の金曜日は午後3時をめどに会社を出て、買い物や食事、旅行などを楽しんでほしいと、政府や経済界が呼び掛けている◆まだ認知度は低いが、個人消費の増加や働き方改革につながればと期待は高い。「金曜夕が商機」と、商品やサービスを提供する企業も2000社を突破。開店を早め特別メニューを手頃な価格で提供する飲食店、1.5泊をうたった旅行プランなども登場している◆課題は、早帰りを導入する会社が増えるかどうか。「月末の金曜は書き入れ時」「平日に仕事のしわ寄せがいきかねない」との声も聞こえてくる。導入企業は数パーセントとの調査もある◆初の試みだから、ここは「できるところから」と発想を変えてみてはどうか。毎月が無理なら隔月で、全員が難しければ交代でと。極端な話、金曜がダメなら月曜午前半休があっていい。月1度の「待ち遠しい日」が広がれば、働き方への意識を変え、新たな消費の発見にもつながるはずだ。(辰)