e医療的ケア必要な児童・生徒 看護師が同乗し送迎

  • 2017.02.20
  • 生活/子育ての補助金・助成金

公明新聞:2017年2月20日(月)付



県の実証研究に参加 保護者の負担軽減
1人に付き10回 「本当にありがたい」
滋賀・甲賀市



滋賀県甲賀市は先ごろ、たん吸引などの医療的なケアが必要な児童や生徒(医療的ケア児)の通学支援に乗り出し、関係者から喜ばれている。

医療的ケアが必要な子どもは、看護師が同乗しない限りは通学バスを利用できないため、保護者の送迎が原則となっている。県は、2014年度から市町や関係事業者と協力・連携し、単年度ごとに通学支援の実証研究を実施。これは県議会公明党が推進してきたもので、市は今回、県の実証研究に参加する形で通学を支援することにした。

対象者は県立三雲養護学校に通う児童・生徒。各市町で行っている障がい者福祉サービス「移動支援事業」を活用し、市が委託する市内2カ所の社会福祉法人から車両とドライバーを確保。同乗の看護師は、県が委託する市内2カ所の訪問看護ステーションから手配している。財源は国が2分の1、県と市が4分の1ずつを負担し、実施期間は今年度末まで。1人に付き10回まで利用できる。

市によると、新年度も県が実証研究を行えば、通学支援を継続していく方針だという。市健康福祉部の酒徳真悠美部長は「少しでも保護者の方の負担軽減につながれば」と話していた。

保護者の一人で、市内水口町在住の淀水希さん。三雲養護学校に通う中学2年の息子・翔太くんは重度の身体障がいがあり、常時、たん吸引などの医療的ケアが欠かせない。そのため通学バスを利用できず、マイカーでの送迎が日課となっている。日頃から翔太くんの通院や体調不良の影響で登校できる日が限られる上、「私自身の体調が優れなかったり、娘の学校行事と重なると登校を諦めざるを得ない」という。


公明が実現に尽力

淀水さんは5年ほど前から、同じ悩みを持つ保護者らと共に、県に通学支援の充実などを求める要望活動を行ってきた。そんな中、昨年9月、県庁で開かれた「医療的ケア児童生徒保護者支援研究会議」の傍聴に訪れていた淀水さんと出会った公明党の白坂萬里子市議は、中村才次郎県議らを交えて懇談。実情を聞いた白坂市議は市側に対し、県の実証研究に基づく通学支援を早期に実施するよう求めていた。

白坂、加藤和孝、田中將之の各市議はこのほど、淀水さん宅を訪れ、利用状況などについて話を聞いた。「子どもを送り出し、自宅で帰りを待つという当たり前のことが、こんなにうれしいなんて」と喜びを打ち明けた淀水さん。公明議員の取り組みに対し、「本当にありがたい」と感謝の言葉を述べるとともに「さらに支援を広げていってほしい」と期待を寄せた。

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